災害と動物掲示板過去発言No.0700-201103-97
英雄は必要ないと思う 2 |
投稿日 2011年3月28日(月)12時23分 投稿者 プロキオン
犬の保護や救護において、英雄が必要ないというのにもう1つの理由があります。 今回、被災地において、飼い主さんとはぐれてしまった事についてですが、これは、犬を伴って避難する事ができなかったという事が大きいと考えられます。 はぐれてしまった犬がを飼い主さんのもとへ帰すには、手がかりが必要です。マイクロチップ、迷子札、首輪に連絡先を記入しておく等の措置が常日頃から、施されていれば、それだけ飼い主さんのもとへ帰ることができる可能性が高くなります。 狂犬病予防接種の登録台帳でさえも、飼い主の住所氏名、犬の品種、被毛の色、犬の大きさ等の程度であれば手がかりは残されています。あらゆるものを活用して犬と特定することとなるでしょう。 それでも、一番確実なのは、被災した飼い主さんが自らの足で見てまわる事ができる場所に犬を収容することです。このような犬が収容されていますという情報の発信も必要ですが、飼い主さんの近くで保護預かりをしているということが大切です。 そして、保護している犬達の情報を拡散させて、バラバラのままにしておくことなく、一箇所に集める事です。それに協力できないのであれば、何を目的に保護活動と称して被災地入りしているのかがわかりません。被災地入りしている団体や一時預かり希望者にしても、おそらくこれに異を唱えることはないでしょう。今、現在であれば、必ず保健所や愛護センターに「このような犬を保護しています」の連絡を入れて欲しい。 なぜ、英雄が必要ないか、ここまで言えば、すでに御理解いただけると思いますが、二つ目の理由というのは、とくに述べなければならないことではなく、飼い主が自分の犬を守るために必要な措置だからです。あの日の朝、3月11日の昼間では、誰しもあれだけ巨大な地震や津波が襲来することを予測していませんでした。 つまり、被災地で起きていることは、そのまま私たち自身や飼っている動物に起こりえたことであって、マイクロチップや迷子札も首輪への連絡先記入も、今日から私たち自身ができることだからです。飼い主とはぐれてしまった動物について、少しでも飼い主情報を残しておく事が、今から私達にできることなのです。それが自分が飼っている動物に対してしてあげることできることなのです。考えてみれば、当たり前のことであって、これは英雄的な行為とは言えません。 犬を助けるために英雄的な行為は必要ない、ごく普通の当たり前の気持ちでいることでも充分にできることなのではないかと思うのです。
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