災害と動物掲示板過去発言No.0700-201104-9
犬への放射線スクリーニング検査の有効性について |
投稿日 2011年4月2日(土)19時51分 投稿者 プロキオン
表題のこのことについて、質問があったようです。 放射線の測定においては、その線源となる核種(放射性同位元素の種類)によって、特性があります。通常は、ガイガーミュラー式カウンター、シンチレーションカウンター、電離箱式カウンター等があります。IAEA等の専門家団体も測定器を各種持ち込んで使い分けているようです。 今、福島の避難所において、テレビでよく目にしているのは、ガイガーミュラー式となりますが、これは、それこそスクリーニングが主体と考えておかれた方がよろしいかと思います。原子炉周辺ということになりますと、どのような危険な放射性核種が出ているか分かりかねる点がありますので、あくまでも体に付着した放射性同位元素の簡便なチェックと理解されている方がよいでしょう。 強いガンマー線以外は、体内被ばくのスクリーニングには適していないと思います。 私が危惧しているのは、犬や猫が体を舐めていて、体内被ばくがおきている可能性です。このような場合ですと、あの測定器では、測定できないというか見逃す可能性があると考えています。そのような場合であっても、被災地に動物が留まっていれば、放射性核種を遠方へ運んでしまう事と、二次被ばくを防ぐことができるのではないかと思います。一定の地域内に犬が留まっていれば、犬の行方不明も防ぐ事ができますし、体内被ばくの確認もできます。また、体内被ばくがあっても二次的な被害を防ぐ事ができますし、他県の犬に風評被害をおよぼすことがないと考えられます。 容易なことではありませんが、彷徨っている犬達は、レスキュー施設を開設し、保護した地区ごとに収容し、放射線の測定をキチンと実施することが望ましいと思います。当然、測定器の数もそれなりに必要ですし、放射線管理のできる人材も必要となります。先をみとおした活動をするとなると、そういう事が必要になってくるはずです。 検査は実施しないよりは、した方がよいのに決まっていますが、万全の検査かと問われれば、答えようがありません。 むしろ、それを見越しての行動をとることが求められているのではないかと思います。
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