獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-201107-15

Re3:「警戒区域の犬ねこに、これから何が起こるか」への反論
投稿日 2011年6月19日(日)12時16分 投稿者 プロキオン

6月10日付けのチッチさんの投稿から推測するに、私の下記の記述は気にかかったかもしれませんね。

>「動物をどうしても見捨てて置けないという人は、浜通りから離れた福島県内にまとめて飼育する施設を造るべきだと思っています。そこで、毎日1頭ごとに排泄物の測定をして、生涯をそこですごしてもらうということになります。そして、亡くなったら、その亡骸は、放射能の保管場所へ送り届けるということです。」

動物を収容するシェルターを建設して云々を唱える獣医師は、他にもおられるようですしね。
動物の命が、人間の都合でどうにでも扱われるのは現実なのであり、それを是とするか非とするかを論議しても、決着がつくとも考えておりません。何が優先されなくてはならないのかが、今進行している事態の中では重要です。
獣医師は、その教育の中で何を目的としているかを知ることになるわけであって、動物の命が人間の生活よりも優先しているとは、教わってきません。あくまでも、人間が存在しての動物の立場です。
その点を外してのシェルター計画は、私には考えられませんし、そのようなシェルターであれば早晩に立ち往生するのは、目に見ています。

運営には、お金も人も必要ですが、それだけでなく、行政と会話が成立させることができる人材が必要です。ボランティアを募っても統率して的確に指示を出していくことができる能力をもった者が居てくれなくてはなりません。つまり、地に足が着いている人間が存在していないと維持していくことはできないと考えています。
行政と対立してばかりいたり、被災地住民から疑問を呈されたりしているようであれば、これは無理と言えるでしょう。また、同時に、非現実的な良い事取りだけの事しか口にしない計画も決して信用されないことでしょう。

まず、放射能と放射線についてキチンと学んで、被災地やその周辺において、出来る事と出来ない無いことの区別をつける必要があります。その現状認識ができてこそ、次に為すべき事、動物に対してどこまでの事ができるのだろうかがあって、具体的な計画が出てきます。
「そんな悠長なことを言っていては、助かる命も助からなくなる。」と考えて、1人で先走ってしまうようでは、誰もついてこないことでしょう。現場をかき回したり混乱させることにしかならない人間には安心してついていけませんし、行政も横をむいてしまうことでしょう。
本当に動物を助けたいのであれば、地に足がついた長期展望をもっていないとなりません。自分1人で救えるものではありません、大勢の賛同と協力があって初めてなりたつことと言えます。

本旨を履き違えてのシェルター計画であれば、それは違うと私も思っています。

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