獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-201107-2

支援のあり方
投稿日 2011年6月2日(木)03時56分 投稿者 ペット防災ネットワーク 

※タイトル変えました

> 私たちは地元でペット同行避難された飼主さんをサポートしようとボランティア登録をして待っていたのですが、遠隔地は敬遠されるのか、出番がありません。

「ペット同行避難された飼主さん」ではなく、「ペットと離れてしまっている飼い主さん」に軌道修正したらどうでしょう。
ペットを遠くに預けているができれば近くに連れてきたいと思っている←連れてくる手段・経費の支援。
連れてきたいが入居したところはペット禁止と言われている←近くに預かりさんを見つける支援。
連れてきて預かりさんに託してもいろいろ不安←相談にのり、不安を打ち消す支援。
「ペットと離れてしまっている飼い主さん」のなかには、ペットが行方不明で生死もわからないという場合や、生きているのは確認できたが捕獲できなかったという場合もあるでしょう←アニマル・ファインダーでの検索や、現地動物対策本部への保護依頼仲介支援。
仮住まいに入居した人の多くはネット環境にないでしょうし、高齢飼い主さんはネットそのものに接したことがないなど、情報弱者です。
そういう飼い主さんへの支援として、迎え入れた自治体と相談してペーパーを配布してもらい、「ペットの相談、どうぞ」の呼びかけをしたらどうでしょうか。

ちなみに、私の住む地では県と各市町が被災者受け入れ住宅を用意していますが、ほぼすべてがペット禁止です。
ならば、近くのボランティアが預かりますよ、毎日会いに来てくれていいですよ、世話を任せてくれてもいいですし、通いで飼い主さん自身が世話をするのでもいいですよ、細かいことは相談して決めましょう、近くに、とにかく近くに暮らすことを願うならいくらでも協力します、遠慮しないでください、おたがいさまですから、いつかこちらも助けてもらう身になるかもしれないから、そのときはよろしく・・・を現在進行中です。

動物を助けよう助けようの動きは星の数ほどネットのなかにあふれていますが、飼い主さんをサポートする動きは不思議なくらい見当たらない。
動物だけ助けて、飼い主さんを助ける動きになっていない。
動物を助けたら、すみやかに飼い主さんに返還する、そして飼い続けられるように飼い主さんを支援していく、それが最も被災動物支援だと思うのですが、どうもその動きはにぶい。
保護した、飼い主さん判明した、返した、あぁよかったよかったで完結しているのはおかしい。
見ているものが違う気がする。動物なのか、飼い主さんなのか。
中越地震・中越沖地震のとき新潟県庁は飼い主の気持ちになって支援を続けました。
すべての活動記録を逐一速攻で県公式サイトで発信し続けました。
すべては飼い主さんのために、それがペットのためであるという信念で。
新潟県が作り上げたすばらしい支援の形が、東日本大震災では活かされていないばかりか逆行している。
支援のあり方を、今一度、よく考えてほしいと思います。
動物だけ助けりゃいいのか? その動物の幸せはどこにあるのか? 飼い主さんのもとで暮らすことなんじゃないですか?

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