ええ、社会の公益のためのつらい業務というものがあります。
　どういう分野でもそれはあります。
　私は動物に関しては素人ですから、致死処分を請け負わなくてすみます。
　獣医師は非常事態には致死処分の”現場”に立たなくてはなりません。
　治療と同様、獣医師の公益的な業務です。

　私という個人がその一部である社会で起きていることは、私と無関係ではありません。
　代わって下さったのだという認識があります。
　社会はそういうふうに互いにお世話になる形で営まれていることを忘れてはいけないですね。

　能力的、物理的に知ることも、理解することも浜の真砂の一粒でしかないのは仕方のないことですが、愛護だ、殺処分反対と十年一日同じ念仏を唱えているのなら、自分が関心を寄せる分野のことは、現実に何が起きているのか、その起きていることを出来るだけ的確に理解したいという姿勢があってもよさそうなものです。
　日本の愛護は、まだまだそういう関心の持ち方が薄いように思います。
　それがまともな動物愛護が育っていかない要因の一つでしょう。

　日本獣医師会雑誌は時々、読みます。
　愛護愛護と言っている人達は、ワンちゃんネコちゃんに終始する個人ブログなんかより、もっとこういう記事を読んで、自分を育てるべきですね。

　私も口蹄疫の致死処分現場の報告記は全く目を通していませんでした。
　ご紹介戴いた記事を拝読してみます。

　獣医師の方とワンニャン好きの一般市民とは、目が向く記事がずれるので、これからも記事を紹介して下さい。