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イヌ掲示板過去発言No.1100-202009-37

Re3:フィラリアの予防薬について
投稿日 2012年5月13日(日)10時53分 投稿者 けりーずはうす

今回の手術に至る症状では、心臓に寄生しているフィラリア成虫を全て摘出することはできません。
手術は、首の血管からなされていて、傷口が小さくはありませんか?
これは「吊り出し法」と言って、頚静脈から心臓まで届く長い鉗子を入れて心臓の入口に絡んでいる虫を掴んで引き出します。
フィラリアが本来寄生しているのは、右心室と肺動脈という血管ですが、何かの要因により、虫が大静脈という血管に移動します。
これが今回手術する原因となった「大静脈症候群もしくはヴェナキャバシンドローム(VCS)」という病名です。
これは、急性フィラリア症とも言われますので、なるべく早く移動した虫を取り出す必要があり、麻酔には命の危険が伴いますので
麻酔時間も短ければ短いほど救命率も上がります。
当院でも、「すべての虫を取り除くわけではありません。」と説明しております。
また、もしすべての虫を取り除くあるいは治療によりフィラリア成虫がゼロになったとしても
心臓や肺動脈の拡張所見はもとに戻ることはなく、継続的にフィラリア症の治療は必要なのです。

ご理解いただけましたでしょうか。

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