鳥類掲示板過去発言No.1700-201808-44
Re4:アロマの小鳥への影響についておしえてください |
投稿日 2012年11月20日(火)11時57分 投稿者 プロキオン
投稿者さんの最初の質問では、寝室でアロマを使う、そしてその寝室には小鳥が飼育されているとのことでした。このアロマは、人間に対しての使用であって、その際に小鳥に影響があるか否かという質問主旨でよろしいのでしょうか? もし、そうであるのなら、小鳥の飼育場所を移動させるということで、あらかじめ問題が生じないようにすることができます。また、小鳥に対してのアロマセラピーということであれば、これはうかつにはお薦めできかねます。専門家の登場が必要かと思います。 鳥類は、「気嚢」という特殊な呼吸器を有しており、機能的にも哺乳類と著しく異なっております。 早い話が、炭鉱にカナリアを連れて入る(オーム真理教の施設に立ち入る際にも先頭に立たされていました。)とか、ヒマラヤの上空1万メートルをツルの群れが飛翔していくとか、テフロン加工フライパンの空焚きで小鳥が死んでしまったと等の逸話がよく参考として持ち出されています。 これらは、気嚢という鳥類がもつ特殊な呼吸器官によって、酸素やガスをひじょうに効率よく体内に取り込んでいることを意味しています。酸素不足からの高山病に罹らない反面、有害なガス・気体が存在していれば、微量であっても、それだけ早く影響を受けることに繋がっています。 それでは、アロマがどのような影響を与えるかということになりますと、「日本アロマセラピー協会」の会長さんと副会長さんが、JVMのvol.62誌上において、実践講座として連載をしておりました。 その第一回目の冒頭は、「アロマセラピーはすべてのペットにとって、本当に安全な代替療法なのだろうか。我々は、安易なアロマセラピーは動物の命に関わる事があると考えている。」という言葉から始まっていましたし、「アロマセラピーは、補完代替療法の一種で、植物の芳香成分を利用するため代替バイオ療法とも呼ばれる。いずれの代替療法もそうであるように、ペットのアロマセラピーでもエビデンスは極めて乏しい。」と述べられています。 つまり、そのような前提があったうえで、アニマルアロマセラピーに対する情報を提供し、小動物に対して正しい精油およびハイドロゾルを安全に使うための情報提供を目的とする連載講座であったわけです。 これは、アロマセラピーには、普及して欲しいけれどども、安易な使用をされてしまうと事故につながり、かえって、普及を妨げてしまう。だから正しく学んで欲しいということになるのではないでしょうか? 連載講座の中では、具体例もあげられていましたが、それでも、やはり一部の精油のことであって、多くの事にまで誌面つくすということはできなかったようです。 相談相手としての街の臨床家の多くは、アロマセラピーに対してであれば、エビデンスの無い不確かなものであって、これを主眼におくということは考えていないと思うのです。 むしろ、偶発的であっても事故につながらないようにしなくてはならないと考えておられる先生の方が普通ではないかと思います。 ですから、個別の精油成分やその濃度や使用方法となりますと、見よう見まねではなく、きちんと基礎から正しく学んだ先生でないと言及できかねてしまうのではないかと思います。 個人的には、対象が小鳥であれば、うかつには適用できないと考えています。
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