爬虫類・両棲類・カメ掲示板過去発言No.2000-201911-52
ツボカビ病の起源は、 |
投稿日 2010年12月28日(火)11時41分 投稿者 プロキオン
>GOさん & とこまだしよさん ツボカビ病については、世界的にも両生類の大絶滅が危惧され注意を喚起されていたところであり、我が国においてもその侵入が認められてしまっていました。 しかし、その後ある程度の期間が経過したのにもかかわらず、自然界における被害が報告されてきていませんでした。 私は、両生類が得意な分野でもなく、このことについて、あまり関心をもたずにいたのですが、先日、ふと目にした文献でツボカビ病の起源はアジア、それも日本かもしれないという記述に遭遇してしまいました。 国立環境研究所の先生が書いたものですが、これによると国立科学博物館に所蔵されているオオサンショウウオの標本から病原体の形態が確認された、この標本は1902年のものであり、世界的なパンデミックの騒ぎがおきるずっと以前から、我が国にはツボカビ病が存在していた痕跡がある。 また、室内感染実験の結果によると、我が国の両生類においては、病原体に感染しても発症せずに高い抵抗性を有している事が示唆されたとありました。 この論文の中では、日本の固有主とされているオオサンショウウオにおいて40%という感染率が示され、沖縄のシリケンイモリに至ってはサンプルの80%が感染していたという驚くべき調査結果が記載されていました。 と、同時にこの調査で得られたツボカビのサンプルでは、DNAの塩基配列から40を超えるタイプが存在していたことも分かったとありました。このようなツボカビの遺伝子の多様性というのは、世界的に先例がなく、じつに驚愕する内容でした。 この論文の肝は、カエルツボカビ病は、相当な昔から日本には存在しており、我が国の両生類たちは、この病気と共存できるような進化の道をたどってきたのではないかということであり、世界中の両生類に関心をもつ人達に大絶滅を危惧させたこの病気の起源が日本にあるのかもしれないという点でした。 GOさんは、少し前にツボカビについて、最近になって分かってきたことがあると話しておられましたが、もしかして、このことなのでしょうか? また、とこまだしよさんにおかれましては、この内容について、どのようにお考えになりますか? 私は、とにかくびっくりでして、私よりも造詣の深いお二方の意見を聞いてみたいのですが…。
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