獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-201106-48

Re2:牛の避難
投稿日 2011年5月8日(日)11時48分 投稿者 プロキオン

>ももさんへ

ももさんの御意見は、今回の震災においては数少ない方の意見になるかと思いますが、冷静かつ客観的な意見であって、私もそのとおりだと思います。
「災害と動物」掲示板の方で、私が遠まわしに述べていることと、ほぼ重なります。内部被ばくについても、当然起こりえているはずなのですが、東電は情報出さないですし、国も沈黙を守っています。でも、これだけの期間、そこで暮らしていれば当然考えられなくてはならないことです。人間の方ですら、内部被ばくの検査がおざなりとなっていて、キチンとは実施されていません。
放射線量も大気と地表とでは異なった数値が観測されていますから、これまた当然のように、まだ、大気中の放射性粉塵が地表へと降り積もっている事態が継続しているということになります。動物は、屋外にいたり、そこで食べたり飲んだりをしていますし、体を舐めたりもしています。被ばく線量まではわかりかねますが、内部被ばくが起きていると考えるのが、むしろ自然なことと言えるのではないかと思います。
これは、何も家畜に限ったことではなく、犬や猫についても、同じ事が言えます。それ故、内部被ばくが発生することを前提として、あちらの掲示板では「原発周辺の動物を県連れ出さないで」という主旨の発言をしているのですが、そのような事を認めたくないという考えの人の方が多いようです。

ももさんに、ことわっておかなくてはならない点は、このタイトルに該当する牛は、肉用牛であっても肥育素牛ではない事です、繁殖素牛なのです。
飯舘牛というブランドの血を残すために、畜産農家が、比較的に早期に2頭だけ避難させたものであって、時間的には、おそらくセーフだと考えられます。
この農家の牛はほとんどが飯舘牛が残されたままであって、農家自身も現地に残って牛達の世話を続けています。少し先を見通すことができる方であったのか、それとも用心深い方であったのか、万が一の事態を考えて、血統を残すという保険をかけられたのだと思います。
まあ、事態の推移として、その農家の牛達は、おそらく、そのまま処分の対象となるはずです。決して、他の牛達も避難して来ようという話ではありません。

原発の事故が発生した時点で、農家自身が予想できたことであっても、牛群を集団で避難できるかというと、そう簡単な話ではありません。この農家にしても、伝手をいろいろ捜して、やっと2頭引き受け先が見つかったということになるのだと思います。
それでも、この2頭を繁殖に共用することができれば、「飯舘牛」の名前は残すことができるわけなのです。
内部被ばくしているであろう犬達が愛護団体によって、県外に連れ出されている中、牛だから駄目というようには、私は考えておりません。いえ、正しくは、この2頭の牛に限って言えば、内部被ばくの可能性は極めて低いと考えているのです。
牛舎であるとは言え、屋内に居た点と、農家が飲用の水源の汚染を懸念して避難先を決断した点、それに避難までの期間が理由です。この畜産農家の方は、ものを考える力をもった方だと思います。ただ、生きていさえすればよいという考え方で行動されている方ではないはずです。

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