ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜           |  
  
2009年 日本 
  
<監督>根岸吉太郎 
<キャスト> 松たか子 ,   浅野忠信 ,   室井滋 ,   伊武雅刀 ,   光石研  ,   山本未來  ,   鈴木卓爾  ,   新井浩文  ,   広末涼子 ,   妻夫木聡 ,   堤真一 
  
<ストーリー> 
戦後の東京。小説家の大谷(浅野忠信)は、才能はありながらも、酒浸りの生活で、ついには、酒屋の金を盗んでしまう。怒鳴り込んできた酒屋の主人(伊武雅刀)に、大谷の妻、佐知(松たか子)は、酒屋で働くことで、その場を収めてもらう。美人で働き者の佐知は、酒屋で評判になり、店は、繁盛するのだが・・・。
  
<感想> 
太宰治生誕100年に合わせて作られた太宰作品映画、「パンドラの匣」「人間失格」「斜陽」などのうちの一つです。 
これも、原作を読んでなかったので、楽しみにしてました。
  
才能ある小説家なのに、酒ばかり飲んで、家は極貧、そのあげく・・・。 
という話で、太宰の、ほぼ私小説のような話でした。
  
どうしようもない夫を持った佐知のすばらしい妻ぶりが、この映画の見どころです。 
一見弱々しく、優しそうな彼女が、気丈に、身を挺して夫を守ろうとするけなげさ! 
妻の鑑のような彼女なのですが、そんな模範的な妻ぶりに、大谷は、かえって、家にいずらく、ますます自堕落になってしまう・・・。
  
夫がダメな分、妻はしっかりせざるを得ないのだけれど、 
それに反して、あんまり妻がしっかりしていると、夫は、さらにダメになっちゃうってこと。 
夫婦って難しい。 
だから、妻は、非の打ち所のない”妻の鑑”になったらいけないのよね。 
そんなわけなので、妻も、適当に遊んじゃいましょう〜〜、っていう話じゃ、もちろんないですけど・・・(^^;。
  
まるで地獄・・・のような修羅場があったとしても、 
それでも、結局は、お互いが引き寄せられて、離れられない・・・。 
夫婦って、謎だわね。なんとも味と余韻のあるラストでした。
  
「ヴィヨンの妻」の”ヴィヨン”とは、15世紀のフランスの詩人フランソワ・ヴィヨンのことで、彼が放蕩詩人だったところから、彼を大谷になぞらえたてのこの題名らしいと、ウィキペディアに書いてありました。 
そうなんだ〜〜(^^)。
  
松たか子は、この演技で日本アカデミー賞を受賞しました。 
うん、いい演技でした。 
やつれていても美しく、けなげで、明るくって、魅力的で、負けず嫌いなところもあって・・・。 
彼女の演技、すばらしかったです。 
着物のちょっと着崩れた所なんか、とても色っぽかったな〜〜(^^)。(2011,03,24)
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