東京都教育委員会賞
   「命の大切さ」                  台東区立富士小学校 五年 

 私は、五年生になって、飼育委員に入りました。でも、すぐにうさぎのデールは死んでしまいました。
 デールは、十一年も長生きした、うさぎのおじいさんです。私は、長生きしてすごいなぁと思うだけでした。なぜなら、まだ、おせわをしてないので、よくわかりませんでした。でも、前の五年生(今の六年生)と、前からいた先生たちは、すごく悲しんでいました。大つぶの涙を流していました。私は、しょうじき、なぜそんなに泣けるのかと、ふしぎでした。
 デールが死んじゃってから、一ヵ月ぐらいたちました。新しい、子どものうさぎがきました。当番がはやくこないかなぁと、ワクワクしていました。はじめての当番の日、かわいくて、かわいくて、しょうがなかったです。
だっこしたり、なでたりしました。でも、うさぎは、耳をたたんで、ひげを下にむけました。これはこわい≠ニいう、うさぎの表現です。それは、そうだなぁと思います。だってうさぎの何倍もある、大きさの巨人が頭をたたいたりするからです。もし、自分だったら、いやだなぁとか、こわいとか思うから、かわいいけどなでたりする前に、うさぎが、どう思うかたしかめて、うさぎがこわがらないように、気を付けています。

 このように、色々な工夫や、うさぎの気持ちを考え、愛情をこめて育てたうさぎが、死んじゃったら、命がなくなっちゃったら、家族が死んじゃったのと同じくらい悲しみ、もう目から涙が、ポロポロと、こぼれ出てきそうです。
 デールが死んじゃって、なんでそんなに泣いているか、子どものうさぎがきてくれたから、よくわかりました。みんな、一つの命だから、その一つの命の大切さをしりました。せっかく、いただいた、子どものうさぎを、大切に育てていきたいと思います。
   (講評)
飼育活動を通して、ウサギに対する気持ちや考え方が変化していった様子が見事に表現されています。特にウサギの身になって考えたり、命の大切さについて気付いたりしたところは、とても素晴らしいです。動物と接することで、人の心は豊かになっていきます。これからも様々な経験を積んでいってください。   (市川 茂 東京都教育委員会指導主事)



東京都獣医師会賞 
                       
  「うれしかったしいく」        西東京市立保谷第二小学校  四年 

 ぼくが初めてしいくをした時は、動物にあまりさわれなかったり、そうじはちょっとくさくていいかげんにやったりといろいろやれなかったことがありました。でもだんだんしいくをやってるうちに動物にもさわれるようになりました。小屋のにおいにもなれてそうじをしてきれいにすると気持ちよくなってきました。やさいのみじん切りもうまくなって、えさ切りが楽しくなりました。チャボやウコッケイが生んだたまごをもらうジャンケンも楽しみです。  今までのしいくで一番心にのこったことは、ウコッケイのひながかえったことです。最初は小さくてかわいいひよこだったけど日がたつにつれてだんだんウコッケイのすがたになってきました。四か月位たったら親とほとんどかわらないぐらい大きくなりました。でも大変だったこともあります。エサの量がふえてえさ切りが多くなったり、小屋のそうじも今までよりきれいにしました。だけど学校のしいく小屋に新しく一ぴき仲間入りしたことはとてもうれしかったです。子どもの名前はシルバーになりました。でもシルバーはオスなので父親のアレックスとけんかしてしまうので、母親のハクといっしょに他の学校に行ってしまうことになりました。せっかく学校のしいく小屋で生まれたシルバーだったので、もう会えないのはちょっとさみしいけど、新しい学校に行ってもがんばってほしいです。  動物たちの好きな食べものもわかりました。パンダはうさぎなのにラビットフードがきらいで、野菜とまぜても野菜だけをきれいに食べてラビットフードを残します。ニワトリのブラット、ホワイティー、イエローは、キャベツとにんじんとチャボフードの他に、しいく小屋の周りにある草を入れてあげるとたくさん食べます。それから、ニワトリは砂が体に必要なので、そうじの間に外に出してあげると、しいく小屋の周りにある砂をたくさん食べているので、このごろはえさ箱にも砂を入れてあげてます。ニワトリは、アリやミミズも見つけると食べます。  今、一番変わったのは動物への気持ちです。前はあまりそうじをしなくても動物のことを考えていなかったから平気だったけど、今はちゃんとそうじをしないと動物はくさくていやだろうなあとか、フンといっしょだと動物も気持ちわるいだろうなぁとかいろいろ動物のことを考えるようになりました。だけどまだできないことがあります。ウコッケイとチャボのアレックスのいる部屋のそうじがあまりきれいにできません。なぜかというと、フンがゆかについて固まってしまっているのでシャベルで一生けん命こすってもなかなか取れません。それから、アレックスをだくことができません。なぜかというと、ひきつぎ集会で目を合わせるとつつかれると言っていたのでこわくて今でもだけません。  そんなできないこともあるけど、今では毎日しいく当番がやりたいような気分で、しいく当番が待ち遠しいです。これからも、晴れの日、雨の日、雪の日、どんな日でもしいくをがんばりたいです。そしてもっと動物たちと仲よくなりたいです。

(講評)
 飼育で、いろんなことがありましたね。ヒヨコがウコッケイになっていくときは、細かい御世話が必要だったと思います。そんな苦労して可愛がったシルバーとの別れはつらかったですね。でも新居できっと幸せにくらしているでしょう。苦手なことがあっても、毎日の飼育当番が待ち遠しいと言う気持ちは嬉しいです。 (手塚泰文 東京都獣医師会長)

審査委員長賞

       「ウサギとニワトリ」        西東京市立柳沢小学校 三年 

 わたしがはじめて、ニワトリとウサギをさわった時は、あばれて(こわいな〜、ニワトリとウサギもこわいのかな)と思いながらさわっていました。でも、じゅういさんの言うとおりにだいてみると、ニワトリやウサギもあばれるのをやめておとなしくなって、わたしもだんだんかわいく思えて、早くしいくをやりたいと思いました。三年生になってしいくがはじまりました。さいしょに、そうじをしたり、ふんをとったりすることを見て(こんなことするんだ〜、ちょっとやだな)と思ったけど、やってみると楽しくて、ニワトリとウサギのことが気になるようになりました。その時、心配してたことがあります。一つ目は、新聞紙を食べることです。二つ目は、黄色のおしっこをしてたことです。ニワトリは、あまりなかったです。じゅういさんにその二つのしつもんをすると、新聞紙は、「食べても、病気にはなりません。」と聞いてほっとしました。黄色のおしっこのことをしつもんしたら、「野さいをあまりたべていないから。」と聞いて(野さいをいっぱい食べてほしいなぁ。)と思いました。五月にウサギとニワトリの名前を決めることになりました。わたしは、パンナに「プチ」という名前をつけて、ピッピーには「ショコラ」という名前をつけました。ニワトリのことは、多すぎてわすれてしまいました。名前が、プチとショコラにならなくて少しざんねんだったけど、きまった名前もいい名前でよかったです。六月になってとてもかなしいことと、うれしいことがありました。
 かなしいことは、ニワトリの「くろっぴい」がなくなってしまったことです。とてもかなしかったけどニワトリのことを考えて、どうぶつのおはかに入れることになりました。うれしいことは、ウサギのゲージが、サークルになったことです。「パンナ」も「ピッピー」もうれしそうでした。七月になると、夏休みにやる、親子し育が始まりました。ウサギが、ニワトリ小屋にいどうしたのでとてもやりやすかったです。九月に、うれしいことがありました。
 それは、ウサギのサークルが広くなったことです。とてもうれしそうでした。
 
(じゅういさんにニワトリのことを聞いてのかんそう)
ニワトリのふんに白い物がついていて、「びょうきなのかなぁ〜。」と思ってじゅういさんにしつもんしたら、「それは、おしっこです。」と聞いてほっとしました。 

 (講評)
知的好奇心や不安等が素直な気持ちで綴られ、動物の身になって共に悲しみ、喜ぶ様子がうかがわれます。動物をよく観察しており、生じた疑問を率直に医師に尋ねて、安心・納得する姿勢は、自ら気づき課題を解決し学ぶ態度であり、まさに科学する目であると思います。将来素晴らしい動物のお医者様が誕生するかもしれません。 (新谷会長 東京都小学校PTA協議会会長)



 全国学校飼育動物研究会     学校飼育動物を考えるページ

飼育を教科に位置付けている小学校の子の作文   平成17年度入賞作品
移動動物園活用の学校の子の作文           平成17年度作品


 社)東京都獣医師会・入賞作品より
                            
 H18年度作文