獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199901-54

RE.猫FIVについて
投稿日 1999年1月11日(月)10時26分 イブ

にゃん子さん、こんにちは。
獣医師のイブです。
突然、予期せぬ病気の宣告をされ、さぞショックを受けられた事でしょう。
FIVは、皆さんもよくご存知のヒトエイズウィルス(HIV)の猫版で、現在のところワクチンも特効的な治療法もありません。
しかし、FIV感染=すぐ死ぬ、というわけではなく、これからの飼い方次第では非感染猫と同じくらい長生きさせる事も可能です。
まず、FIVは感染してもすぐには悪さを始めません。少しずつじわじわと発症してきます。この発症するまでの期間をどのくらい引き延ばせるか勝負です。日常生活においては、ストレスを与えず十分な栄養と休息を取らせ、もしなにかちょっとした怪我や身体の変調を感じたらすぐに対処してください。そうする事で、FIVの発症を引き伸ばす事ができます。
FIVが発症した場合、具体的に身体にどういう悪さをするかというと、免疫力を極端に低くしてしまいます。そのために慢性の口内炎や歯肉炎をおこしたり、傷を治りにくくしてしまったり、他のいろいろな病気にかかりり易くしてしまうのです。そして、その病気を治す事ができないために身体が消耗し、亡くなってしまいます。

感染経路は、噛み傷によるものが多いと思いますが、完全室内飼だった場合は、家に引き取る前の経緯や、母猫からの感染が最も疑わしいでしょう。

さあ、元気を出して、FIV感染猫御長寿最高記録に挑戦してください。

補足ですが、FIVを広げないために、他の猫との完全隔離をしてください。外に出したり、子供を作らせたりするのも、やめてください。



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