獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200009-198

安楽死について
投稿日 2000年9月17日(日)20時34分 にゃろめ

はじめまして。にゃろめというものです。

先日、友人の飼っている生後5年の雄猫リュウが、「慢性腎不全」と診断されました。

過去に尿道結石で手術しましたが、その後は元気に回復していたのです。
しかしここ最近、よく吐くようになり、徐々に便が出なくなり、急に表情、行動が
おかしくなったので(目つきがおかしい、歩いてもあらぬ方向に行く、
首が据わらなくなる、突然うずくまるなど)急いで病院に連れて行きました。
検査したところ、数値が以上であり、入院を勧められました。
かなり危険な状態であり、覚悟してくださいと言われました。
遠まわしに「安楽死」を勧められもしました。

その日から4日間点滴を打ち、回復をただただ待ちました。
5日目、病院に行ってみると、そこには、自力で立ち上がり「にゃあ」と
声をあげるリュウがいました。外見上はかなり元気に見えました。
しかし、お医者様の話によると、慢性の腎不全であり、以前の元気な状態には
戻れないとのことでした。とても複雑な気持ちになりました。
点滴を打って、検査の数値が正常に戻ればいいのだが、リュウの場合、
数値は以前と異常なままであり、回復の兆しが見られないとのことでした。
ずっと入院して点滴を打ち続ければ、多少長く延命はできるのですが、リュウは
もともと神経質な性格であり、病院ではストレスが強すぎ、また、
飼い主にとっても、リュウ自身にとっても、家で一緒に過ごしたほうが
いいのでは?という結論に達しました。通院という形です。

連れて帰ると、ストレスによるよだれはおさまり、しばらくは部屋の中を
探索するようにうろうろしていたのですが、何度か水を飲む以外は、
薄暗いテレビの後ろに隠れてしまいました。
家に戻って、食欲が出てきて、吐くこともなければいいのだがと言われたのですが、
ただおとなしくじっとしています。口元にえさを持っていっても拒否します。
食べなくとも、通院で点滴を打てば栄養は補給できるのですが、
果たしてそれが、リュウにとって幸せなのだろうかと思います。
通院によるストレスで、結果、家でも落ち着くことができない、食欲が出ない、
お医者様は、今のところは点滴をはずしても苦しみはほとんどない。
ただ、だるい感じでしょう、おかしくなったら病院へ、そう言われました。
しかし、リュウは精神的にはどうなのか?
今後この状態がどれくらい続き、どのくらい成果が出るのか?出ないのか?
いつかはまた、苦しい状態になるのか?また、治療費はどれくらいかかるのか?
そのあたりは、今後のリュウの様子によるとのことで、はっきりしませんでした。
遠まわしに安楽死を勧めた意味がわかるような気がしました。
しばらくは様子を見るしかないのですが、今後の事がわからず不安です。

ネット上を調べても、簡単なことしかわからず、体験談もほとんどありません。
安楽死に関する、状況、体験談、その他なんでもいいので、
今後どのように対応していけばいいのか教えていただきたいです。

私は何匹かの動物を飼い、死に目にもあっていますが、安楽死という形では
ありませんでした。友人は初めて飼った猫でもあり、動揺を隠せません。
苦しませて延命する通院治療、苦しみを早く取り除くために選ぶ安楽死、
どちらも人間にとっては、辛く、悲しい選択であり、考えがまとまりません。
冷静に判断するために、どなたかの助言をいただきたいと思います。

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