獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200104-310

犬を守る一つの方法...しつけについて
投稿日 2001年4月25日(水)20時00分 T

しつけについてもいろんな考え方があると思いますが、
やはりしつけもその子のためだと思います。
例えば、先の“転勤で安楽死"のケースでも
もし、そのワンちゃんが人なつこい性格だったら...。
ただ、しつけができていないその結果が悪いというのを
飼い主だけの責任とするのはどうかと思います。

今日、相談がありました...飼っている犬が咬むということで。
そしていろいろ話しを聞いたところ、
以前他で相談したところ...半殺しにしなさい、
反抗してきたらとことんやっつけなさい..
というようなことを言われたそうです。そして、
飼い主はそれに従ってことあることに叩いたそうです...
それでますます悪くなった。こういうことは
決して特別なことではないと思います。実際、
叩いて教えるというのをうたい文句にしている人を
賛美するような記事を新聞でみつけたことがあります
(もちろん、即抗議文を送りました)。また、
犬のしつけといえば服従訓練としているものもあります。
服従訓練? なぜ、家族の一員を服従させないといけないのか?
服従訓練などというから、うまくいかなかったら頭にきたり
高圧的・威圧的になり、それでますますおかしなことになる...
と私は思います。

しつけについて書けば、それこそ際限なく長くなるので
これにてやめたいと思いますが、もう少しだけ御容赦ください...

しつけの目的と結果
 まず、何かをする時にはその目的をしっかりと持つことが大事です。
 目的によって方法はかわります。
 ...中略...
 いわゆるペットの“しつけ"の目的はあくまでもその子のため、
 無用なストレスを与えないようにして幸せにしてあげることです。
 ...中略...
 ワンちゃんがいつもかわいがってもらえるように、
 飼い主さんがいつもかわいがってあげられるようになり、
 お互いに幸せになることがペット犬のしつけの目的です。

 ワンちゃんが自ら善いことをするようになるのが、
 良いしつけの結果です。
 ワンちゃんが自ら飼い主さんに喜んでもらうことをすること、
 そしてそれをワンちゃん自身が幸せに感じるようになること、
 飼い主さんがいたらワンちゃんは安心できるようになること、
 飼い主さんとワンちゃんがともに、
 愛し愛され暮らしていけるようになること、
 飼い主さんとワンちゃんがお互い喜びに充ちた日々を送れ、
 それによってひととペットがより健康により幸せに暮らしていける
 ようになることが良いしつけの結果です。
 ...後略...
           『ワンちゃんをより幸せにしたい方へ』より
                             T
PS
言葉について...言葉にあまりこだわることはないというご意見もありますが、
でも私は言葉は大事だと思っています。ちなみに、
服従訓練...服従させることが目的であれば“半殺し"“体罰"もまた
ひとつの方法だと思います。しかし、
ワンちゃんをより幸せにしたいなら、“体罰"などありえない。

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