獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200109-27

マルチレス
投稿日 2001年9月5日(水)16時26分 プロキオン

9月2日の Laelさんへ
糖尿病については、以前から何回か書いていますが、人間の糖尿病の分類が変
わったのと同じで、動物でも分類に変動が起きています。その成立の過程や原
因によっても 対応に差異があるわけです。
たしかに、猫の糖尿病は犬の糖尿病に比較して 血糖値のコントロールはむず
かしいとされています。でも、私達が診る糖尿病は血糖値250とか、400
とかいう数値を目にするものです。空腹時に150以上の数値があれば糖尿病
の可能性あり、常時250以上なら ほぼ糖尿病といえるでしょう。
どのような状態での血糖値188なのかわかりませんが、目標としては血糖値
150くらいに もっていきたいところです。この位の数値なら、疾病との共
存で結構余命は期待できるらしいですよ。

9月4日の ひめさんへ
末期の腎不全というのは、具体的にはどのようなステージに入っているのでし
ょうか?
慢性腎不全というのは、腎機能の回復はむずかしいです。
さらに それの末期というのであれば、尿毒症や虚脱があるのかもしれません。
そこまで、ステージが進んでいるのであれば、医療と言うよりも看護の問題か
もしれません。どのようなケアをしたら良いかとのお尋ねですが、もしそこま
で進行しているのであれば、それはあなたが決めることです。患者と飼い主と
の今までの関わりあいが おのずと教えてくれると思います。飼い主ひとりひ
とりによって 事情は異なりますので、要はひめさんが悔いを残さないだけの
ことをしてあげることができるかなのです。

まだ、そこまで進行していないのであれば、病状を把握している主治医にお尋
ねした方が 適格な回答が得られるでしょう。

9月4日の まんちゃんへ
ウサギにダニがいるのではないかとお疑いのようですが、ウサギの皮膚に病変
を確認されていますか?
個人的には、ウサギの皮膚炎の起因原因としてのダニは 人間には移行してこ
ないように考えています。もし、事実であるとしたら、ウサギ自身にも相当な
皮膚病変が形成されていると思います。
まあ、そうは言っても痒いものは痒いでしょうから、人間もウサギも適切な治
療を受けられることをお勧めします。

>子猫の腸が動かない
この書き込みには、私はちょっと頸をひねっています。
5ヶ月の猫といえば、もうじき発情がきても不思議ではありません。そこまで
成長している猫が、先天的に消化管が運動していないといわれても、それでは
今までどのようにして生きて来たのかということになってしまいます。
おそらく、嘔吐を伴う食欲の廃絶があるということなのでしょうが、その原因
を特定することが必要と考えます。
確かに先天的な消化管の通過障害というのもありますが、このような場合は、
離乳期になって食事内容が変わってくる頃に気が付くことが多いものです。

「腸閉塞」や「感染症」に起因した食欲廃絶と考える方がより確率が高そうに
思えるのですが、受診された動物病院では2軒とも「先天性の異常」と診断し
ているのでしょうか?
もし、2軒ともそのように診断しているのであれば、このような事例こそ飼い
主さんが、しっかりとした説明を聞いておかれた方が良いでしょう。

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