「リスクの定量化」という言葉自体が私には理解できかねます。

全てが終わって、この問題を検証可能な状態にでもなれば、日本における感染
発病率はこうであったということはできるでしょうが、今現在の時点で、これ
を提出できることなのでしょうか？　昨日も言いましたが、リスクの確率は常
に変動しているのです。今現在で、それができるとお考えなのですか、誰かそ
ういうことが可能な人物に心当たりがあってのことですか？

まして、他の危険と比較して「作業の費用効率」を検討すべき時なのでしょう
か？

問題を摺り替えて、今やるべきことを見失ってはならないのでないかと私は思
います。今は感染発病者を出さないことに全力を投じるべき時期なのです。
だからこそ、みなさん声をあげているのです。

他の危険の防止につくせ、というのは今回の事例についてはピントはずれです。
今がどれだけ大切なときなのか理解していません。
まして、その費用を他にまわしたらという主旨では困ります。私が扇情的に不
安を煽っているという意味での発言であれば、それは率直に発言して下さって
結構です。私も気にはしていますので。
ただ、今回の比喩はあまりに適当ではありません。自分達を守ろうとしない行
政であれば、誰がそれを支持するというのでしょう。
みな、自分達を守ってくれという声をあげて発言しているのです。見当違いの
追求をしているわけではありませんよ。

ニュース２３では、「ニューヨークのテロ事件の陰に隠れてしまっているが、
これは本来、もっと大きく扱われなくてはならない問題である」と発言してい
ました。
ニュースステーションでは、牛の感染報告がある以前から、脳硬膜移植におけ
る我が国での人体感染例を特集で報道してきています。
各メディアも　ことの重要性や深刻さ認識して報道しているわけで、視聴率を
目的に煽っているのではありません。
肉屋さんだけでなく、食品加工メーカーでも、化粧品業界でも今後倒産が出て
くるかもしれません。「肉を食べるか否か」というレべルの問題を越えてしま
っているのです。
中小企業金融公庫でも、緊急融資の受け付けを始めています。すでに、国民の
日常生活に直結して反響が出て来ているのです。今、ここでこの対策に費用を
投じなくて　いつ何に投じるというのですか。
他の危険の回避といっても、今目前にこれだけの危険があるのですよ。こちら
から優先してとりかかって欲しいと考えるのが普通です。
社会資本の整備といっても、今このことに着手しなくて、橋や道路にでもまわ
されたのなら、それこそ国民は怒りますよ。

費用効果云々というお話は、いささか違うと考えますが。