獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200306-79

RE:ウサギの目の膿瘍
投稿日 2003年6月11日(水)19時58分 プロキオン

6月11日の たかこさんへ
眼球の後部位置に膿瘍が形成されて、眼球突出の状態にあるわけなのですね。
たいへん御心配のことと思いますが、どうにもならないわけではありません。

結膜を切開して膿瘍にアプローチする方法はあります。それこそが、たかこさ
んが投稿文の中に書いておられる国内唯一のウサギの専門病院の先生がセミナ
ーで教えてくださいました。
むろん、獣医師としては眼球の後ろ側にメスを入れるわけなので、「恐い」と
か「勇気がいる」手技ではありますが。教えてくださったS先生に言わせれば
眼球が突出しているからこそ可能なのだそうです。

実は、自慢にも何もなりませんが、私自身もそういう症例の経験があります。
その時には、まだ対処法があるなどとは露も知らなかったわけで、どうしたも
のかと困っていたのですが、ある日、膿瘍の方が成熟して自壊破裂してしまい
ました。
眼球用の洗浄消毒液で、洗い続けることとなりましたが、ウサギはずいぶんと
楽になったようです。自壊で排膿するのですから、眼球のすぐ後ろに膿瘍は存
在するようです。結膜嚢の切開はわずかで、かつ深い切開にする必要はないよ
うです。

S先生であれば、安心しておまかせしてよいのではないかと思います。
また、勉強熱心な先生が増えれば、いずれ身近な手技になるかもしれませんね。

当面、処置ができないとしても私の症例のようなケースもあるかと思います。
この膿瘍で全てが終わってしまうわけではありません。悲観することはありま
せんよ!

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