意見交換掲示板過去発言No.0000-200403-17
>心配性さんへ |
投稿日 2004年3月2日(火)12時38分 投稿者 プロキオン
あなたの質問してくる意図が私には分かりません。最初は河川敷きを散歩する 犬への感染で、次が野鳥の絶滅、そして養鶏業者の心配。 言葉を替えて何回も同じ説明をしているのですが、まだこれが続くのでしょう か? 大変に失礼な言い方になっているのは承知していますが、とどの詰まり、何を 目的として質問をくり返しているのか、そちらに疑念を感じてしまいます。 >野鳥が感染源ならば、鳥インフルエンザウイルスはすでに国内に蔓延してい て、撲滅は野鳥を殺さない限り無理だと思うのですが、ここが私の考え違い なのでしょうか? 感染源は鶏自身であって、ウイルスの伝播者は人間だと思いますよ。これはす でに述べているはずですが。 下の方にある福士先生の「人由来感染症」の記述も読んでいただけていません でしょうか? 野鳥が感染源とする根拠はなんでしょうか? > 国内での3件は全て偶発的な発生で、これを封じ込めれば今後は新たな発生 は無くなり、鳥インフルエンザウイルスのいない国と宣言できる、と考える べきなのですか? 3件が偶発的とは考えておりません。3件の発生で終わって欲しいということ であって、それ以降の発生があるかないかは、分からないことです。 3件で終わるように努力しているということになりませんか。 >行政は、あと何件発生したら撲滅を諦めて方針転換するのですか?まさか国 内全てのニワトリを処分するまでじゃないですよね。 心配性さんは、国内全ての鶏が感染して欲しいとお考えなのですか? その質 問は今現場で防疫業務に携わっている方達にとっては、聞きたくない言葉だと 思いますよ。 私も答える立場にないですし、農林水産省にでもお尋ね下さい。 >「迅速に対応すれば良い」とのことで一度は納得したのですが、京都での発 生に対して養鶏家や行政の対応が遅く、実際に迅速な対応が出来ないことに 大きな不安を感じました。 これは、あなたの考え違いです。第三者の立場から見て、京都の事例はあきら かに自分の農場の損害を最小限に押さえようとしてとった行動と推測できます。 防疫上の善良な判断ではなく、隠ぺいしようとしたことが伺われます。 この例をもって迅速な対応がとれないとするのでれば、「例」が不適切です。 ワクチンを使用するということは、昨日も申しましたが、自分のところだけ斃 死するものが出なければ良いということになりかねません。自分のところだけ の被害を少なくしたいとした業者と発想はなんらかわることはありません。 >ワクチンは、ウイルスが体の中で増えるのを抑え体の外に出る量も少なくな るのですよね。ならば今回のような場合では、ウイルスが広がって大規模な 流行になる危険が少なくなるのではないかと思うのですが、これは間違った 考え方ですか? 何回も繰り替えしているように、ワクチンを使用すれば、大流行はなくなりま すが、ウイルスの撲滅はできなくなります。 小規模の流行、あるいは散発的な流行をくりかえして、我が国にトリインフル エンザウイルスが定着することを意味します。全部の鶏に接種すれば良いとお 考えなのでしょうが、かつて飼育されている全部の鶏に接種できたワクチンは 1つとしてありません。 後述のニューカッスル病がその良い例です。いかに行政がワクチンの接種を奨 励しても接種を怠る人はおります。狂犬病のワクチンとて、法律で義務付けら れていても罰金を設定しても接種しない人はいるでしょう。 理屈の上では、心配性さんのおっしゃるとうり、全員ワクチンを接種してくれ れば問題はないはずなのですが、それが事実上不可能であろうことは関係者で あれば、誰もが思うところです。 >ワクチンが無いというのは、作れないということですか?不必要だと思って いるから作っていないだけではないですか?発生前ならばわかりますが、国 内で発生したのだから一刻も早く必要量を備えて欲しいと思っています。 ワクチンは、緊急備蓄分はありますよ。ただ、昨日も申したように誰に使うの ですか? ワクチンを使用することで、感染源の摘発ができなくなるから使用しないのだ と繰り返して申し上げていますが、どうしてその点が理解していただけないの でしょうか? ワクチンはウイルスさえあれば、つくれますが、メーカーだって困りますよ。 ワクチンというのはどこのメーカーであろうと、年間の需要を予測して製造し ますから、生産ラインを確保しようとすれば、他のワクチンの製造ラインを犠 牲にしなくてはなりません。 それは、すなわち別の種類のワクチンが不足するだけです。製造計画をたてて ラインをやりくりする必要がありますし、製造できるようになったからと言っ てそれが直ちにメーカーの利益に繋がるわけでもありません。 使用されるワクチン量と製造されるワクチンの量が調整されないと赤字になり かねませんので。 >最後に、ニューカッスル病という病気は同じく法定伝染病なのにこちらはワ クチン接種が奨励されていると聞きました。これはニューカッスル病が蔓延 しているということですか?なぜニューカッスル病は撲滅を目指さないので しょうか。 日本はニューカッスル病の汚染国であって、すでに国中のいたるところにウイ ルスが定着していますので、ワクチンによって大規模な流行を防ぐしかないの です。 ニューカッスル病も撲滅を目指していますが、ワクチンを接種しない人達がい るのです。自然養鶏と称して一切の医薬品の使用を拒む農場なんかもあります し(ワクチンも医薬品という理由で)、個人の家庭で飼育されている鶏やチャ ボも、そして学校や保育園で飼育されている鶏達です。この点についてもすで に意見交換で述べておりますが。 また、心配性さんは、ワクチンについて御存知ないようなのですが、1回の接 種で感染を防ぐことができるわけではありません。 ニューカッスル病ワクチンであれば、ブロイラーの場合、生後60日の出荷ま でに4〜6回ぐらいの接種が必要とされています(鶏病研究会の推奨プログラ ムによれば)。 採卵鶏であれば、成鶏になってからも追加接種が必要です。 このところ流行が治まっていると考えれば、ワクチン接種の回数は減少となり ます。それは経営者すれば当然検討することなのです。疾病の再流行というの はそういう時におきるのです。 >そのことで、養鶏業界と消費者はどのような負担を背負っているのでしょう か。 今、ワクチンを使用せずにウイルスの根絶を目指すということは、今後継続す るであろう発生を抑え、その損害を未然に防ぐという意味もありますし、失わ れる経済的損失(鶏卵、鶏肉、鶏糞、ペットフード等の生産物)も当然含まれ ます。また、さらに養鶏業者も消費者にも生産物にかかってくるワクチン代も 該当しますよ。 心配性さんは、ワクチンを使うことが被害を少なくするとお考えなのですが、 ウイルスが定着してしまうことの方が今後の経済的な被害は大きくなるのです よ。 唯一の利点であろう失われる命についても、本当はあまり意味がありません。 鶏は経済動物ですので、彼女等の寿命は採卵鶏でもせいぜい500日、ブロイ ラーなら60日です。疾病に罹患しなくてもそのくらいなのです。ワクチンを 接種しても、そこまでの延命でしかないのです。 農場に導入されるコマーシャル雛も、そのシェアはほとんど海外に依存してい ますので、結局、「摘発・淘汰」の方が確実でかつ経済的なのです。 「鶏達がかわいそう」と言わないで下さいね! そうしてしまったのは生産者 なのですが、そうさせたのは、私達消費者なのですから。 |
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