意見交換掲示板過去発言No.0000-200406-264
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投稿日 2004年6月27日(日)13時15分 投稿者 プロキオン
6月22日の チーママさんへ チーママさん御自身からのヘルプコールとは珍しいですね。 一読して思ったのですが、「犬の踊り病・舞踏病」の表現は入院先の病 院の先生の表現ですか? 私としては、あまり適切でないように思いま す。 舞踏病の場合、症候性の場合、感染症、炎症、妊娠、脳血管障害、腫瘍、 中毒、低酸素血症、敗血症等の様々なものに由来します。病名であると 同時に1つの症候の意味もあるわけです。 私の辞書においては、犬の舞踏病ということになると、ジステンパーの 間代性痙攣やチック症状を称することがあると記載されています。 この単語を使用しなくても、神経疾患としての表現の方が、原因に行き 当たるように思えるのです。家禽疾病の方であれば、ニューカッスル病 を筆頭にマレック病、鶏脳脊髄炎等があり、稀にクリプトスポリジウム やアスペルギルスの脳への感染も知られています。また、各種の中毒や ビタミン欠乏も成書には記載されています。 ここにあげた中では、小脳疾患という形態であれば、鶏の脳脊髄炎が近 いかと思いますが、確認には小脳の神経細胞における虎斑融解を確認す る必要がありますので、小鳥の場合には、死後にしか確定診断できませ ん。ただ、この疾病であれば、発症の時期と同一ロットの感染があるは ずなので、疫学的には疑問があります。 舞踏病であれば、様々な原因があげられますが、鳥における神経疾患は 感染症由来と考えるのが、一番可能性が高いように思います。小鳥の飼 い主さんは、あまりウイルス性の神経疾患を心配なされていないように 思えるのですが、私の感覚では、いつどこで感染があっても奇異には感 じられません。 鳩の飼い主さんで、レースに参加される方ならニューカッスル病のワク チンを実施している方は多いように思います。 6月26日の プリンさんへ 私も転院された方がよいように考えます。ただ、おなじレベルの病院で あれば、また同じことのくり返しになるかもしれませんので、きちんと 手順を踏んで精査してくれる病院ということになりますが。 6月26日の 麻衣さんへ フィラリアの予防薬が、腎不全にの犬に投与してはいけないという理由 根拠は何なのでしょうか? もし、アミノグリコシド系のGABA作用薬剤であるからというのであ れば、思い過ごしではないでしょうか? まず、反復の頻度が違います し、用量がかなり異なります。 メーカーの使用禁忌事項には腎不全は記載されていません。 半分しか機能していないと表現されていますが、腎臓は2つありますし その1つが失われても生命に異常はありません。半分しか機能していな いという「半分」とはどのくらいなのでしょうか? 診察している病院の表現なのでしょうが、第三者に伝える場合には、で きうるかぎり正確でないと誤解や混乱を招きます。片方の腎臓が機能し ていると受け取るのであれば、まったく問題がないことになりますので、 質問そのものが意味をなしません。 いきなり、こんなことを言われれば、「えっ?!」と思うかも知れませ んが、質問された方がすでに「どういういこと?」なのです。動物病院 における説明には、キチンと理解できるまで確認された方がよいかと思 います。そのまま、伝えたつもりでも伝言ゲームになっていることは多 いですから。 ワクチンのことも併せて、慢性腎不全なのだから、投与しても無駄とい うのであれば、それは飼い主さんの考え方ですから、いたしかたありま せんが、慢性腎不全だからこそ、他の疾病から守ってあげないといけな いという考え方もあります。 6月27日の たまさんへ すでに充分大人の猫と、子猫の同居ですから、双方に戸惑いがあるのは しかたないでしょうね。 同居させるのは、人間の側の都合であって、猫の気持ちは無関係ですか ら、人間が2人の間に立って、仲良くなれる橋渡しをしてあげる必要が あります。どちらの猫も相手が恐いのだと思いますよ。 人間が猫以上に気を使って立ち回れば、やがてお互いを受け入れてくれ るると思います。こういうことには、簡単な解決法はありません。その 都度、その都度、考えていくしかないでしょう。 6月27日の カレンさんへ カレンさんの質問には、大事なことが抜けています。溶血性貧血の原因 です。 一口に溶血性貧血といっても、原因によって治るものもあれば、予後不 良のものもあります。溶血性貧血という言葉は、病名ではありませんか ら、そこは一括りのお話とはなりません。 仮に、自己免疫性の溶血性貧血ということであっても、私は「輸血が無 駄」とは考えておりません。最初から、無駄と言ってしまえば、餌を食 べさせることすら無駄と言えませんか? 人間であろうと、動物であろうと、生まれた時から死ぬことは決まって います。だったら、風邪をひいても治療することは無駄でしょうし、毎 日の食事も無駄ということになります。 でも、人は誰しもそれを無駄なこととは考えません。明日交通事故で死 ぬかもしれませんが、今、今日という日を生きることとは矛盾はありま せん。 輸血は治療ではないと私は考えています。1回で済むことでもないし、 輸血したから治るということではありませんから。ですが、延命にはか なり有効な手段ですし、自己免疫が相手であれば、これは抑制すること はできます。1つの手段で全てが解決することではありません。あれも これも必要です。 そして、患者である犬がどのように生き、どのように最後を迎えること ができるかこそが大切なのです。どのような最後であろうと犬は飼い主 を恨みません。むしろ、飼い主さんの「あの時、ああしていれば…」と いう後悔の念こそが問題なのです。 私のところでは、輸血用の血液が入手できません。輸血が可能な病院で あれば、私なら躊躇うことなくお願いしています。 |
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