意見交換掲示板過去発言No.0000-200501-213
マルチレス |
投稿日 2005年1月26日(水)15時11分 投稿者 プロキオン
1月25日の ロクさんへ 鳥類の場合、総排泄孔から尿酸という形態で尿を排泄しますし、腎臓の 分葉も形も哺乳類とは異なっています。 「尿崩症」という表現が、腎機能の異常によって尿酸の産生に問題を生 じているのか、水分の多い便を排泄しているという現象なのか、わかり かねます。 ネットで相談するのであれば、読んだ者が適格に事態を把握できる内容 であることが望まれます。かかる状態であれば、ネットではなく直接診 断をくだされた先生に相談される方が適格な返答が得られるように思い ます。 1月25日の シロさんへ 本来、小鳥は春と秋に発情を迎え、繁殖に至ります。秋が深くなると餌 が乏しくなり、気温も下がる、日周期も短くなり、発情は抑制されます。 飼鳥も、これらの要因の支配下にありますが、室内で飼育されていれば 気温と日周期の問題は抑制的に働くことはないでしょうし、餌も不足し ているということはないはずです。 栄養状態が良すぎて、室内で飼育されていれば、産卵することの方が、 小鳥の体から見れば、むしろ自然なのです。 産卵を停止させようとすれば、これらの条件を変えるべきなのですが、 急変が結果的によい結果に繋がるかと言えば、これはあながち是とも言 えません。日常の管理においてこそ、これらはコントロールされている 必要があります。 採卵鶏農家においては、産卵率の落ちてきた鶏に対して「強制換羽」と いう手法をとります。そうすると、産卵は止まってしまうのです。乳牛 においても「強制乾乳」というものがあって、乳汁の分泌をとめること があります。これらの手法は、養鶏や酪農を生業としている者達が必要 があって、実施することです。 どうしても産卵を止めたければ、産卵できない環境に置けばよろしいし、 過度のストレスにさらせばよいのです。そのときに落鳥させないないだ けの飼育技術があるかどうかになります。 で、ここに1つ問題があって、本来産卵することを恐れているのでしょ ううか? 老鳥が寒い時期に産卵をして「卵詰まり」を心配されている ということではないのでしょうか? 本当の心配は、こちらの方なのではないでしょうか。こちらが本当の心 配であれば、対応はまた異なります。ストレスを与えるのよりは、無事 産卵に集中できることの方が大切となります。 こちらの場合においても、栄養過多は御法度です。採卵鶏も繁殖豚も決 して太ってはいません。肥満な状態というのは繁殖事故に繋がるからで す。これは飼育当初から、考えておかなくてはならないことなのですが、 一般的に飼育されている小鳥は、私見ながら、肥満個体が多すぎるよう に感じています。 1月25日の fukuiさんへ 12月15日生まれであれば、これは「片睾丸」とか「陰睾」とかの判断 は早すぎるでしょうね。 まして、陰嚢の中に降りかけている精巣のありかが判明しているのであ れば、心配される必要はなさそうです。 陰睾を心配してのホルモン処置であれば、4か月齢くらいまでにと成書 には記載されていますし、「経過をみましょう」というのであれば、お よそ半年くらいと私は教わっています。 また、鼠径輪が閉じていなければ、1年以上を経過してからという例も あるようです(これは、獣医師広報版の動物フォーラムでの話です)。 1月26日の ばぐーさんへ >プロキオン様がペットオーナーであったとして、年齢的にも寿命の近 いペットをおもちの場合を想定した時に プロキオン様なりの何らか のお考えがもしあリましたならば 改めて伺えればと思います。 私も犬の飼育者でしたし、今でも猫を飼育しております。 で、今回記載されている質問ですが、「年齢や寿命」からくるものであ れば、何も考える事はありません。 向こうから来たものが、あちらへ退場していくだけのことです。寿命を 伸ばそうとも縮めようとも思いません。 おそらく、言葉が足りなくて、「治る見込みのない動物で、かつ年齢も 老齢であったとしたら」という例示なのですよね。何もしないというこ とはないのですが、それは悔いを残さないという意味です。どこまでと いうことはそのケースによって違います。 私が獣医師であることは、知られてしまっていますから、どのような意 見であれ、見聞きした方には、フィルターのかかった意見になってしま うと思いますが。 私は小学生の頃から飼育していた犬を高校生の時に病気で亡くしました 。私にとってはかけがえのない友でした。手をこまねいて為す術もなか った自分を非常に悔いました。だから、獣医師の道へ進みました。 それでも、その時の痛みというのは、いまだに残っていて、決して治る ことはありません。私は彼にとって良い飼い主ではなかった、だから、 彼の後には犬を飼育していませんし、今まで生きてきた人生とこれから の人生で、これからの人生の方が短くなってしまっても、そして今後も 、犬を飼育しようとは考えていません。 ばぐーさんは、飼い主と獣医師の立場を分けて考えておられるようです が、私は分ける必要を感じていません。何もできずに死なせてしまった 飼い主が少しでも何かできることはないかともがいていたら、獣医師の 道にすすんでいただけのことです。 私にとっては、彼に許してもらえる良い飼い主になることが目的であっ て、獣医師はその一過程にすぎませんし、まだ良い飼い主になれる自信 もないので、犬を飼育するわけにはいかないということなのです。 今、飼育している猫達も私が飼育しようと考えていたわけではありませ ん。みんな、病院において行かれてしまった猫たちです。私の意志や気 持ちとは無関係にやってきています。 むろん、誰も彼も獣医師になれとも言いませんし、動物を死なせてしま た飼い主が二度と飼育してはいけないとも申しません。 ただ、終末とはなにか、他人にもう治療法はありませんと言われて、は いそうですかではありません。動物ことも病気のことも、勉強して他人 に言われるのではなく、自分の頭と心で考えて欲しいと思っています。 考えたすえの結論であれば、第三者が口を挿むことではないと思うので す。 獣医師になって、いくつもの命を救えば、あの時の痛みを忘れる事がで きるかと言えば、そんなことはありません。1つの命を失った悲しみが 別の命を救ったことで帳消しになるわけではありません。 そもそも「終末」とは何なのですか? 誰が決めるのですか? 一番大 事ことを考え決めるのは、「自分」だけです。飼い主以上に重い責任を 負った存在が他にあるとは考えられません。 よくよく考えたうえでの結論であれば、私でしたら、他人からどうのこ うのは言われたくありません。そっとしておいて欲しいと思います。 質問に対する回答とはなっていませんが、前回のレスと併せて言いたい ことは伝わるのではないかと思いますが。 1月26日の fuzzさんへ 残念な結果になってしまったことを御悔やみ申し上げます。 本来であれば言ってはいけないことを発言しましたので、山下先生がフ ォローしてくださったようです。 「秦野市のお店で」ということがあったのでしょうか。横浜市の方でも 少し前に獣医師会でレプトスピラの抗体調査を実施したところ、過半数 を越える陽性の検査結果が出てしまい、あわててワクチンを勧めるよう になったと横浜に在住の先生に聞いたことがあります。 事実関係の如何は、明らかできないかもしれませんが、飼い主さんとし て、できる限りのことをしてあげることができたのであれば、悔やむこ とはありません。 件のボーダーコリーも生まれてきたからには、その意味があります。き っとあなたと出会う事に意味があったのではないでしょうか。 命には「長い」「短い」があります、そして残念ながら「重い」「軽い 」もあります。 しかし、巡り会い、絆のできた命であれば、神様もそう無慈悲ではあり ません、必ずや魂の安住は図ってくださることと思います。冥福を祈っ てあげて下さい。 そして、まずは1年、あなたの悲しみに耐えて下さい。本人はもうすで に苦しくはありません。苦しみや悲しみは、今からはfuzzさんの問 題なのです。 1年経ったら、忘れる必要はもとよりないのですが、常に思い出し続け ている必要もありません。思い出そうとしなくてもきっと傍に居てくれ ると思います。あなたの悲しみが、昇華される日が訪れれば、姿形を変 えて別の命となって、再び出会う事ができる日が来るように思います。 生命は、時の流れの中を過去から未来へ旅して行きます。今、目に見え るものは仮の姿ですし、ひとところに留まり続けるものでもありません。 しっかりと結ばれた絆であれば、再び出会う日もあると思います。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |