獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200501-214

バズーさんへ
投稿日 2005年1月26日(水)16時27分 投稿者 ミニラ

バズーさんの問いかけにいろんな意見が寄せられてますね。
私にもいくつかの体験があります。
こちらでは、安楽死に対しての批判的な意見が多いように感じてましたが、私はこれまで3匹の犬を安楽死で亡くしました。

最初の子は末期の癌でした。食べる事が出来なくなり、苦痛で眠る事も出来なくなってきた時に決断しました。
次の子は痴呆が進み、自力での飲食が出来なくなり、発作を起こすようになりました。
どちらの子も回復の望みは無く、その時点での私の出来る限りをし尽くしての決断でした。

私は犬に関わる仕事をしていて、3匹ともが大切なパートナーでした。
特に2匹目の時には、仕事とその犬への介護との両立が難しかったために、決断のための葛藤もありました。
もし、一般家庭で家族の手助けがあったり、仕事への負担が無いといった条件が揃っていたならば、この子の旅立ちを遅らせる事も出来たかもしれません。
仕事として関わっている立場からも、自分の犬だけに多くの時間をかけられなかったこともありました。(世話を必要としている他の犬達も大勢いましたので)
ずっとお世話になっていた獣医さんに連絡し、処置に連れて行きましたが、病院に着いてからも葛藤は続いてしまい、取り乱してしまった私に先生から「これまでもう充分な事をしたと思います」といったような一言を頂けました。自分一人で決断しなければならなかった私にとっては、助けられた一言でした。

3匹目は高齢であり、既往症もあって定期的な通院をしていましたが、突発的な症状に見舞われて緊急処置をしている最中に、回復が診こめない事が分かり、その場での安楽死となりました。
それぞれに事情も違い、特に最後の子の場合は突然の事でしたので、先の2匹のようにある程度余裕のある看護といった事が出来なかったのが悔やまれました。

最期まで看取る≠ニいう意味で、安楽死が避けられない事もあるというのが私の考えです。
本当の限界まで、充分に付き添って看護を続けられる方には、必要無いかも知れませんが、看てあげる余裕がなく、犬が一人で苦しんでいる状態が長引くとしたらどうなのでしょうか。

何れにしも、どんなに大切にしている者であっても、いつかはお別れの時を迎えるのだと思います。
どんな形で最期を迎えるとしても、それまでの付き合い方をどのようにして来たかが、大きいのではないでしょうか。
私は今でも亡くしてしまった(もちろん安楽死以外の死を迎えた子も大勢います)子達の病気の時以外の想い出を大切にしていますし、どの子達からも多くの事を学ばせて貰えた事を誇りに思っています。


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