意見交換掲示板過去発言No.0000-200503-150
フィラリア症の治療 |
投稿日 2005年3月20日(日)09時54分 投稿者 Big 1
フィラリアの治療は、成虫の寄生数や病状でさまざまです。 フィラリアの治療に関することだけでも小冊子が一冊できるほどで す。とりあえず、一般論のほんのエッセンスだけを書きます。 (以前にも同じようなことを投稿しているかもしれません) I.寄生しているフィラリア成虫に対する処置 1.外科手術による摘出 急性糸状虫症(VCS※下記参照)では、この方法が第一選択とな ります。慢性症では、寄生数が多ければ手術による摘出がベストな 選択と言えます。 フレキシブル・アリゲータ鉗子という特殊な器 具を頚静脈から心臓に送り込み、肺動脈内または、右の房室弁部に いるフィラリア成虫を摘出する方法が行われています。この手術は X線透視下で行われますので、それなりの設備のある病院でないと できません。この手術の経験十分な獣医師にとっては、麻酔に十分 に耐えられる状態の犬であれば、成功率の高い手術といえます。 (急性症の場合は、透視設備が必要でない直鉗子による手術方法も 適応可能です) 2.注射による駆虫 成虫駆除剤を注射することにより、肺動脈にいる成虫を殺します。 殺虫されたフィラリア成虫は肺動脈内で分解されることになります。 寄生数が多い場合、死んだ成虫が肺動脈の循環を妨げて突然死など を起こす場合もあります。通常は肺動脈内の成虫を殺すことを目的 とし、急性症では選択されません。 II.循環不全等の症状に対する治療 フィラリア寄生により、循環障害を中心とするいろいろな症状が 起こります。これらはの症状は急性フィラリア症を除き、普通は感 染後数年近く経ってから出始めます。 これらの症状に対する治療は、内科治療によることになります。 よく使われる薬剤は、ACE阻害剤、抗血小板剤、利尿剤、ステロ イド剤などで、単独あるいは組み合わせて使用されます。 (※フィラリア成虫が右心室〜右心房に侵入して急性弁膜障害 を起こした状態、血色素尿(赤い尿)がでるようになることが多い) |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |