獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200504-38

>鳥飼いさんへ
投稿日 2005年4月5日(火)12時43分 投稿者 プロキオン

いえいえ、タブーというようなことはないはずですよ。少なくとも、私
はタブーとは思っていませんし、他にも同様のお話をされる先生もおら
れますので。

実際にも 医薬品よりもサプリメントで改善した方が良い例というのも
動物の症例の中には、存在しています。
サプリメントは駄目だと言ってしまえば、そのような適応例も否定して
しまうことにもなりますし、かといって、効果のある場合もありますよ
というそのままのレスであれば、御墨付きを貰えたと解釈してしまう方
もおります。
私達が病院で使用する医薬品にしても、効果のある患者もいれば、2倍
3倍の薬用量をもってしても効果が現れないこともあります。要は、患
者と患者の病態次第なのですが、そこのところの客観的な判断ができる
か否かなのです。
医薬品にしても、サプリメントにしても、主たる作用があれば、必ず望
まぬ作用というものも存在します。どのような場合に、どのくらいであ
れば、使用してよいかと判断が必要とされますし、作用のグレードとし
ても医薬品とサプリメントでは、相当の開きがあります。
医薬品を取り扱う立場にいる者であれば、取り立てて言及するまでもな
いことという気持ちがまずあります。

しかし、逆に飼い主の立場であれば、とくに飼育している動物に対して
気持ちがのめり込んでいる飼い主さんであれば、あれもこれもと手を出
したくなる気持ちもあると思います。
また、マスコミにおいても、それこそ「これで完璧」のようなコマーシ
ャルを出してきますし、いかにも体験者を装った宣伝も目にします。
これをそのまま鵜呑みに信じてしまうかどうかなのですよ。商品を購入
する「消費者としての資質の如何」なのです。

サプリメント全体としては、一つに括るには、範囲が広すぎる。具体的
な商品について述べるには、数も多すぎるしいちいちかまってもいられ
ない。
「魔法の薬」の信奉者であれば、否定すれば、かえって火をつけかねな
いというところなのでしょう。

サプリメントとは異なりますが、量販店などで販売している「滴下式の
蚤駆除薬」は、あきらかに動物病院で扱っているものとは作用も効果も
違っています。
医薬品ではないからこそ、量販店で「医薬部外品」として扱うことがで
きるのです。当然、効果には差がありますし、それを承知しているから
こそ、形態を似せてイメージ戦略をとっていますし、コマーシャルや価
格という販売戦略も出番が出て来ます。
これを試しに使ってみようかという飼い主さんがいても、動物病院とし
ては止めることはできません。効果に差があることに気がついて貰えれ
ば、その方が好都合と考える先生もいるかもしれません。
蚤がまだ寄生しているのにもかかわらず、これでもう大丈夫と思いこん
でしまっている飼い主さんであれば、「蚤、まだいますよ」という言い
方になるでしょう。「そんなもの効くわけがない」という刺激のある発
言の仕方はあまりしないと思います。
そして、蚤が寄生したままなのに、他の飼い主さんに、「この薬とても
効くんですよ」と勧めてしまう飼い主さんがいらした場合、「もっと現
実をみなさい」と言ってしまう先生と、「触らぬ神に祟り為し」の先生
とに別れるということになりますでしょうか?

医師とか、獣医師の手の届かない領分で、「魔法の薬」を信奉してしま
っている方がいると、これを正すのにかなり労力が必要ですし、こちら
が火の粉を被る場合も出て来ます。
「また、この手の話題か」と感じられた方であれば、面倒と考えるかも
しれません。
本来であれば、もっと反応があっても良さそうな話題が、妙に静かな場
合というのは、そのような場合もあります。


私も、子供の頃は禽舎に憧れていました。同級生の女の子の家で禽舎で
セキセイをしいくしており、この数がまた半端ではありませんでした。
私の家では禽舎は望むべくもなかったので、冷蔵庫とか洗濯機の外側の
梱包用木枠に板や網をうってもらって飼育していました。ですから、通
常の鳥かごというレベルよりは、大きなものでした。
小鳥自体も文鳥以外の鳥は、手乗りではない鳥ばかりでした。捕まえよ
うにも大人でも手が届かないスペースのある鳥かごですから、小鳥達も
人間との距離の取り方が分かっていたように思えます。
そんな鳥でも、やがて、餌の時間になると自ら私の手の上に乗るように
なってくれて、ずいぶんと嬉しかったことを憶えています。
文鳥、セキセイ、十姉妹、コザクラ、錦花鳥等の飼鳥もみんな冬でも屋
外飼育していました。喚起も照明も、気温もみな自然任せでした。
唯一、カナリアだけは屋内で飼育していました。こちらは、薮蚊が出る
ので、さすがにカナリアは家の中がよかろうという理由でした。

小鳥達への人間のかかわり方が少なかった時代の方が、健康的であった
ように感じるのは私も同じです。
小鳥達にとって、好ましいのは人間の活動につき合わされることではな
く、本来の生活により近い飼育なのであろうと考えています。それが提
供できない者には飼育する権利がないというのではなく、何が本当に必
要なことなのか、考えて欲しいということです。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。