意見交換掲示板過去発言No.0000-200507-92
re:狂犬病集合注射 |
投稿日 2005年7月7日(木)12時24分 投稿者 プロキオン
Big 1先生がお書きになられている飼い主さんの情況というのは、 私もすべて経験済みですね。本当に、笑うに笑えない一致です。 大の大人2人を引きずったまま、他の家の犬に襲い掛かってしまうシェ パードもいましたし、ワンボックスカーの荷台の乗せて、飼い主が体で 押し付けている内に前の椅子の隙間から接種することもありました。こ のときの飼い主さんの手は咬まれてボコボコでした。この犬は秋田犬で 毎年の恒例なのだそうで、そこまでして、うたなくてもと思いましね。 でも、飼い主さんが自分が咬まれるのを覚悟のうえでの依頼であれば、 獣医師としては逃げるわけにはいかなないです。 # この犬については、他の先生からもあそこには危険な犬がいるから と注意されていました。 ひどい飼い主さんであれば、秋田犬の檻の中に入れられたこともありま すね。自分は入ってこないんですから。餌あげるので、食べている間に 接種してというわけです。 # 鍵かけて、どこへ逃げられるんでしょう? 信じられないかもしれませんが、これも集合注射です。会場のすぐ傍だ からと言って、獣医師の方を自宅まで連れていくんです。役場や今まで の獣医さんが、そういう飼い主さんであることを許してしまったのでし ょうね。 シェパードや秋田犬ほど大物ではないにしても、放し飼いの犬で、こち らが車から一歩も出る事ができないほど襲いかかってくる犬もいました。 この犬は、車にも咬みついてくるので、本当に弱ったのですが、幸か不 幸か、20m程先に郵便屋さんのバイクが通りかかり、猛然とその後を 追っていきました。 私達はその間に逃げましたけどね。(これは訪問注射です!) 普通はめったにいないのですが、恐怖心から攻撃してしまうというので はなく、自分から進んで攻撃してくる犬も存在します。 飼い主がリードをいくら引いていても、襲いかかってくる犬もいるので すね。その時は、たまたま、もう1人の獣医師もいっしょにいましたが、 向こうから走ってきて咬もうとするのですが、飼い主さん付きで、まさ かと思いますよ。 何が起きようとしているのか、理解できなかったのですが、身体の方が かってに逃げてくれて事なきを得ました。相方は、それを見ていて、も う近寄って来ません。「病院で接種してもらってくれ」です。 飼い主の希望は、「あちこち連れまわせる犬ではないので、ここで接種 してくれ」で、1人で診療している先生のところで、どうにもならない であろうことは目に見えているし、おそらく、すでに病院で断られてい るのではないかと考えられました。 結局、少し高めのフェンスの上からリードで吊って、前足が少し浮き上 がる状態で後ろ足に注射することにしましたが、そういう犬ですから、 暴れて暴れて、注射器が折れました。針が曲がったではなく、合成樹脂 でできているシリンジの方が折れたのです。 獣医師も慣れない頃は、よく犬に咬まれます。咬傷事故が起きないよう にBig 1先生が言われたようなことを飼い主さんにお願いするので すが、聞いて貰えないこともありますし、ムクムク先生のお話のような 返答が返ってくることもあります。 咬まれて、咬まれないようにと注意するようになる反面、犬に触るのを 避けるようになる先生もいます。 決して、自らの身体や手が犬に咬まれる位置におかないようにと、犬に 触れるのは注射器の針だけというのもあります。 また、飼い主さんや犬が油断しているうちに いきなり接種部位以外で あろうとどこにでも接種してしまう先生もいます。 ある別の先生は、そのような接種の仕方が犬を猛獣にしてしまっている と評していました。 猛獣だから、咬まれないための技巧からそうなってしまったのか、咬ま れないための技巧から猛獣を作っているのか、個々のお話であり、全体 のお話でもあり、どちらがどうとも言えません。 最初から猛獣でやってくる犬もいますし、猛獣になってしまった犬もい るのでしょう。 集合注射には、病院にやってくる犬達を違う、緊張を強いられる犬が確 かに存在します。 圧倒的に多くの獣医師は、咬まれながら、その痛みを教訓として、次ぎ からは咬まれないようにしようと注意しています。 が、それでも咬傷事故は起きます。起きてしまったものは仕方ないとし て、我慢しているのが普通の姿です。だからこそ、飼い主さんにも、そ の痛みと損害を知って欲しいということなのだと思います。 今回のししまるさんの事例から、話が飛躍してしまっていますが、しし まるさんの事例では、100万円が妥当であるか否かが焦点ですから、 第三者に双方の言い分を聞いて貰って判断するしかないでしょう。 この第三者というのを、こちらの掲示板と考えているのであれば、これ はあまり参考にならないと思います。 私は、100万円は高いと思いますが、「考えられないこともない」と いう意見もありますでしょうし、もっとも積算の根拠となる件の女医さ んの病院の一日当たりの収益が不明です。 これが不明であれば、不当な要求なのか、正当な要求なのか、判断しよ うがありません。ですから、請求金額の根拠を提出してもらう必要があ ると思うのです。 日本には獣医師会が勧める保険がありまして、咬傷や事故による休業補 償を取り扱っているものもあります。 掛け金の関係からか、あまり活用はされていないかもしれませんが、保 険が成立するということは、咬傷や事故の発生率から算出した危険率、 があるはずなのです。病院の規模や患者数からの妥当な休業補償金額と いうのも計算できるはずなのです。 こと、それが裁判所ということになれば、なおのことです。 |
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