獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200509-42

Re:引越しについて
投稿日 2005年9月6日(火)11時53分 投稿者 パールちゃん

げんさんへ。

> 愛されないが生まれ育った家で過ごすのがいいのか、不自由でも愛してくれる人といるのがいいのか、2番目(多分ですが・・)に好きな私と庭のある知らない土地に行くのがいいのか・・

犬のため、犬をかわいがっていたお母さんのため、犬を大切にしよう責任をもとうと思うげんさん自身のため、これらを重視するならげんさんとともに新しい土地へ行くのが最もいいと思います。もし私がこのことの当事者でげんさんの立場なら、あれやこれや細かな事情が思い浮かんで「どうしたらいいんだろう・・」とさんざん迷うでしょう。問題の渦中にいるとどうしてもそうなってしまいます。でも、なんのしがらみもない第三者の立場から見れば、げんさんとともに新しい暮らしを始めるのが犬にとって最も幸せなことだと冷静に判断できます。

犬は、愛してくれる人といっしょにいるべき生き物です。犬の幸せの根幹はそこにあります。犬をかわいがってきたげんさんやお母さんならきっとそのことは十分にわかっていますよね。
生まれ育った家や慣れた環境なんて愛されるか愛されないかに比べたらどうでもいいことです。犬は好きな人とならどこでどんな暮らしをしても添ってくれます。それを考えるとお母さんが犬を連れていく選択肢がないわけではありませんが、お祖母さんの介護という事情を考慮すると犬連れはお母さんにとって大きな負担になってしまうと思います。お母さんが心身ともに疲れ果ててしまうことが容易に想像できます。げんさんが犬を引き取り、「だいぶ慣れてきたよ、元気にしているよ」とお母さんに報告することがどんなにお母さんの気を楽にすることか・・。げんさんが犬を引き取ることは犬のためでもあり、お母さんのためでもあると思います。
犬が12歳ということも考慮しないといけませんね。これからみるみる老いていくでしょう。もしお母さんが引き取ってから、視力や聴力が衰えた、夜鳴きが始まった、歩行が困難になった、排泄がままならない、そういう状況になったら、お母さんもお祖母さんも犬も三者共倒れになってしまいます。そうなってからげんさんが引き取るというのも考えられなくはないですが、元気なうちに終の棲家に落ち着き、たとえ目が見えなくなっても自由に歩けるくらいの慣れを準備しておいてあげるほうが犬にとっては安らかな老後です。

> この子にとって本当に幸せな選択はどれなのか、人間が勝手に決めてしまうなんてほんとに残酷です。幸せに出来ないなら飼う資格がなかったと自分を責める日々です。

どうか気に病まないでください。それほど想ってくれる人に飼われたことは犬にとってこのうえない幸せです。げんさんもお母さんもすばらしい飼い主さんですよ。
悲しいことに人間にはいろいろな事情や都合が生まれてしまいます。そのしわ寄せを犬に押しつけざるをえないこともあります。でも自分を責めないでください。犬はちゃんとわかってくれますから。それが犬のすごいところです。
つらいときもうれしいときもいつもいっしょにいてくれることはげんさんはすでに経験済みですよね。そうやって12年間いっしょにいたのですからね。これからもそれが続くのですよ。
それと、お母さんが一番で自分は二番、そんなことは気にしないでください。犬がそれを聞いたら「おいおい、そんな区別はしていないよ」と笑うかもしれませんよ。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。