意見交換掲示板過去発言No.0000-200512-120
RE、骨折に関する事で教えてください |
投稿日 2005年12月28日(水)01時45分 投稿者 田口正行
小型犬の前腕骨などの骨折では、癒合不全が起こりやすくしばしば、トラブルの原因になっていますので、心配ですね。 今回ご質問の、骨移植について簡単に説明します。 骨移植には大きく3種類あります。 まず同種骨移植といって、犬ならば犬同士の骨移植で、他のワンチャンから採取しておいた骨を移植する場合があります。 他には異種骨移植で、他の動物から(実際には行われていないと思いますが、犬に豚の骨を移植する場合などです)の骨を移植する場合があります。 また、自家骨移植で自分の他の部分(例えば、前腕骨に肋骨など)を持ってきて代用することもあります。 犬の骨移植では、低温に保存して抗原性(異物としての性質)を無くさせた同種移植か、先に述べた肋骨を前腕部に持ってくる場合などの自家骨移植が行われる場合が多いのですが、いずれにせよ限られた施設で応用されている方法で、骨折治療に対してはじめから考慮される方法ではありません。 また、最近では大阪の動物病院で骨折の癒合機転を再度起こさせるようなサイトカインを使った方法や、同じ病院ですが骨芽細胞を移植するような方法もあります。 最後に、人工骨というのは、ハイドロキシアパタイトなどのような骨組織に近いものを骨の代わりに留置固定します。 これは、骨を形成する細胞の足場を提供するものですが、本物の骨を移植することと比較すると骨を再形成する力は弱くなると考えられています(その代わりに異物性や感染症などのリスクは下がりますが) |
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