意見交換掲示板過去発言No.0000-200602-7
グルタチオン型点眼薬について、 |
投稿日 2006年2月1日(水)15時31分 投稿者 プロキオン
sutemaru先生からもすでにフォローが入っているようですが、ついでに私も。 この目薬は本来は、眼に対する栄養補給の点眼薬と考えてください。摘要としては、 白内障もありますし、角膜潰瘍・角膜損傷もあります。 傷ついた角膜の治癒を促進させるということでの摘要認承はとれておりますので、今回 の症例のように病院から処方されることはおかしなことではないでしょう。 ただ、この目薬の副作用の方で、痒みを伴うことがありまして、これによって患者自身 である動物が眼をさらに擦ってしまうことがないとはいえません。 とくに今回は当然創傷に由来するのでしょうから、やはり細菌感染を防止するための配 慮がなされているべきだと考えます。 理論的な話であれば(角膜の傷が無菌的に保たれるという意味)、この目薬だけでもよ ろしいかと思いますが、現実的には、他の先生方と同じく抗生物質の入った点眼液が必 要になると考えられますし、治癒が遅れているのも、この辺に原因があるのではないか と想像します。 角膜に潰瘍が生じた症例であれば、私の場合は、まず抗生物質優先です。それも動物が 痛みや痒みをできるだけ感じないというか、まず、飼い主さんでも点眼させてくれる刺 激の少ない点眼薬であることです。 次に潰瘍の治癒促進のための点眼薬になりますが、この場合も、抗生物質の点眼薬との 相互作用において、ぶつかり合いをしないようにという配慮が必要です。 お書きになられた文章を拝見すると、かなり痛みあるようにうけとれますし、炎症も下 層の組織まで波及しているのかもしれません。 動物が相手の場合は、点眼した後も、動物がどのように感じているのかは、観察してお いた方がよいでしょう。その状況に応じて使用する点眼薬を検討しなくてはなりません。 傷がある病巣には、常に感染の問題を考えに入れておく必要があると思います。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |