獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200604-27

re: フェレットの白血病について
投稿日 2006年4月4日(火)10時51分 投稿者 プロキオン

>その後の血液検査の結果Lymphosarcomaと診断されました

ということであれば、まちがいないく白血病ですね。正確には「リンパ肉腫」という
診断名で返ってきていますし、「芽球様の細胞」も確認されていれば、なおのことで
す。本来は、CBC検査とリンパ節のバイオプシーによって判断されますが、CBC
において、充分に疑われる回答となっています。

フェレットのリンパ肉腫は年かさの個体の方が多いようなので、実際には年齢は問わ
ず、むしろ若い個体における転機の方が早いようです。
治療法としては、
1、特別なことはしない、支持療法や対症療法にとどめる。
2、ステロイドを用いた緩和療法
3、抗癌剤を用いた化学療法
ということに大別されるはずです。

で、化学療法剤というのも、アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、サイトキサン、メソ
トキセレート等のカクテル療法であって、日本もアメリカも同じはずです。これは猫の
リンパ腫のプロトコールに由来しているからだと思います。
最初の化学療法剤には、よく反応してくれる症例が多いと言われていますが、数ヵ月後
には、再発することが懸念されます。そして、再発時の化学療法剤への反応はよろしく
なく、この疾病が予後不良と言われる所以です。

アメリカにお住まいであれば、Biology and Diseases of the Ferretが愛読されている
本のようです。

極めて申し上げにくいことなのですが、この疾病について国が違えば、助かる可能性が
異なってくるということはないと思います。特別な治療法はありません。医療事情の差
は有意なものとはならないでしょう。

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