意見交換掲示板過去発言No.0000-200605-314
さやさんへ〜フィラリア症と治療 |
投稿日 2006年5月29日(月)01時03分 投稿者 山下 貴史
さやさん、遅くなりましたすみません。(日曜日は診療と勉強会で、お待たせしちゃってごめんなさい。って待ってないかも!?) で、簡単に書きますね。 蚊によって運ばれたフィラリアは主に肺動脈(心臓から肺へ向かう血管)に寄生します。寄生部位よりも遠方(血液の下流側)は血流に乗ったフィリラリア抗原などで、寄生部位周辺は抗原+虫体によって血管の一部が肥厚したり、腸管壁のような絨毛風になったり結節を作るするようになります。これは寄生する場所の移動などをきっかけに広がっていきます。また、虫体自身などが肺の血管に詰まったりもします。すると、まずは肺に病変を作ってしまい肺の血圧が上がり、心臓(特に右心)への負担が増してしまいます。ちなみに、うっ血肝からの肝障害や、血液中に巻かれる因子による腎疾患も起こりえます。 心臓に関して言えば、さらに病態が進むと心臓の肥大から心不全へと進んで行きます。 各病態の確認(症状や各種検査で判断)後、血圧をコントロールする薬などを用いることがあります。しかし、僕たちが発見するフィラリア症の多くは無症候性で予防薬を出す前の検査や検診(健診)で見つけることも多いので不安に思いすぎることもないと思います。
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