「無症状」は見逃せても「軽症」は看過できません。ですか。
「軽症状」とでも書いておけば良かったですかね。

学術的に優れた山下先生に向けて書くのはおこがましいので、一般の方に向けて書
きますが、フィラリアに限らず、循環器疾患において獣医師間で重症度判定という
場合につかう重症度と、飼い主さんの感覚での重症度とは別物です。

聴診による心雑音、心電図検査、エコーやＸ線検査で判明する重症度の分類とは別に、
飼い主さんの目から見た症状の重さというものがあります。通常の診療では、この二
つを組合せながら、説明し理解してもらうようにするわけです。

フィラリア症は、感染の状況によって、肺動脈にびっしりと詰まっているようなレベ
ルのものであっても、見た目の症状は非常に軽度(つまり飼い主さんにとっては「軽症」)の場合もあれば、肺動脈内寄生はすでにほとんどみられず外科適応外であっても、肺
動脈拡張など画像診断的変性は著しく(つまり基準的に重症)、誰の目からみても循環
障害に陥っている(飼い主さんからみても「重症」)の場合もあります。

この言葉のギャップが、誤解を生みます。
直接やりとりができない一般の方が多数読んでいるであろうこの場で、一般の方の
感覚から乖離した用語使用をすることは望ましいとは思えません。
私には、最初の山下先生の書き込みが、そういう誤解を生みかねないと思ったまで
です。「異論」という書き方が、自分のことを全否定されたと思わせ、逆上させて
しまったなら、申し訳なく思いますが。