意見交換掲示板過去発言No.0000-200606-367
re: 犬の死後硬直 |
投稿日 2006年6月29日(木)16時15分 投稿者 プロキオン
死後強直は、特段犬だからと言うことはありません。 私の経験であれば、死後15〜20分もあれば、顎のあたりから始まります。その後、 逐次下方へ進んでいきます。 ただ、この進み方は個体差と環境差がかなり影響するように感じています。 推理小説であれば、死体を暖めたり、逆に冷やしたりでアリバイ工作するような例があ るかと思います。 法医学では、このような場合、直腸温を経時的に測定して、死亡時刻を推定したり、沈 堕性充血(所謂死斑)の現れ方や分布で、死体のおかれていた環境との整合性があるか をみたりします。 死後強直も、そのような1つなのですが、これは死体が発熱疾患に罹患していたり、低 体温であったりするとその発現に影響があると考えられます。 子宮蓄膿症に罹患していたのであれば、炎症があったことになりますが、この疾病であ れば、逆に腎不全からの低体温であったことも想像できます。そもそも手術で麻酔がかけられていたはずですので、何もなくても体温は下降していたはずです。 術後にそれがどのくらい回復していたかによる影響はあるでしょう。子宮蓄膿症の手術 であれば、術後に何日も低体温が続くこと自体は驚くにはあたりませんので。 このような要素を考慮すると、死後強直が早く出現していたとしてもおかしくはないで しょう。ヨーキーであれば、体が小さいので進行自体も早いように想像します。 けれども、このような点を考えるのよりも、夜間連絡をとるのが不適当な時間に亡くな った考えるのが、話としては分かりやすいのではないでしょうか。 深夜から未明にかけてのことではないかと思います。 なお、アリバイ工作のための死後強直の時間を誤魔化すという手法もありますが、これ には言及しません。死亡時刻の推定というのは、かなり重要なことなので、1つだけの 方法に頼るということはないはずです。
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