意見交換掲示板過去発言No.0000-200608-256
Re:ワクチンの接種について、その2 |
投稿日 2006年8月25日(金)17時53分 投稿者 田口正行
この問題は犬と猫で考え方が違います。 猫については、ワクチン誘発性肉腫の問題があり、しかもパルボウイルスは3年以上抗体が増加していることが根拠となって、3年という期間が決められていると考えています。 (猫の上部気道炎は毎年の接種でも感染しますので、3年空けても大丈夫ということにはなりません)。 犬では、チャレンジ試験(ウイルスを実験的に感染させて、防御能を判断する)の成績から3年以上の間隔を空けても大丈夫ということになっています。 この3年間隔のワクチン接種を臨床に応用する場合の問題点は、臨床の現場では抗体価でしか免疫状態を判断できないということと(チャレンジ試験は無理ですので)、抗体価を検査すると、多くの場合(800例ほどで検査をしました)で、およそ40%のワンチャンは、3種類のコアワクチン:ジステンパー、パルボ、肝炎 のうちいずれかが不十分な抗体価しか保有していないということです。 安心して、3年以上の間隔でのワクチン接種を行うには、まだ成績が不十分な気はしています。 また、痙攣発作を持っている場合などは、ワクチン接種で発作を誘発してしまうリスクがありますので、別の理由で接種間隔を空けるか、ワクチンを中止する必要があります。
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