獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200609-106

避妊手術とX先生
投稿日 2006年9月7日(木)10時08分 投稿者 プロキオン

卵巣のみを摘出するか、子宮もあわせて摘出するかは、慣れてくれば手間暇に大した差
があるわけではありません。
また、動物にしても一晩入院させて回復情況を確認するということであれば、差がある
とも受け取っていません。実際、入院させた動物にしても犬であれば、その晩のうちに
外へ散歩に出ています。だから、卵巣のみの摘出がとくに手術侵襲が少ないとも考えて
いません。
つまり、子宮を残すことにメリットがあるのかなという考えです。


さて、X先生は卵巣を完全に摘出できる自信がないとかですが、それであれば、避妊手術
を実施されるべきではないのではないでしょうか?
卵巣のみの摘出を勧めておられるようですが、卵巣をきれいに切除できないのであれば、
そもそも「卵巣摘出」の役目をしていないと考えられます。
もとより、摘出した臓器を飼い主さんに見せるというのは、別に趣味で見せているわけで
はないはずですよ。
事前に説明した手技のように、このとおり摘出できていますよという確認のためのはずで
す。「説明・同意・確認」の手順のひとつとして実施されていることのはずですよね。
きれいに切除できていない臓器を飼い主さんに見せていると行為の意味を判じかねます。

私のところでは、卵巣がきれいに切除できているか、子宮はどこまで切除してあるかの
確認としての意味で見てもらっています。
中には、そういうもの苦手ですからという方もいらっしゃいますが、できる限り確認し
て貰っています。実際、ホルマリンに浸漬して持ち帰る方もいらっしゃいました。

私が考えるに、X先生は「釣り」がしたくて、そのような発言を続けているように感じま
すね。学術的な意味からの話ではないように思います。

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