意見交換掲示板過去発言No.0000-200609-122
RE 専門家(獣医師)の意見交換ですが。 |
投稿日 2006年9月7日(木)23時17分 投稿者 はたの
ムクムクさま 以下、かなりシリアスです。 >専門家同士のつっこんだやりとりは、衆目の元に行いますと誤解の元です。 >クローズの獣医師フォーラムは、ぞんぶんに意見交換していただけますので >是非そちらの活用もご検討ください。 >少なくてもここでの専門家同士の意見交換は、最低限度にしていただきますよう >お願いします。 について、真意を伺いたく存じます。 ムクムクさんが主催者です。したがって ムクムクさんが、インフォームドコンセントを重視されない、というのであれば従いましょう。 ムクムクさんが、少なくとも幾分かは公金で育成される”獣医師”という”科学の専門家”が、その知見を、育成コストの幾分かを負担した社会に対して隠して良いとお考えなら従いましょう。 元来、ムクムクさんの設けたプライベートな場ですものね。 しかし、多少とも公共性を意識しておられるのでしたら、前記のような発言こそが誤解の元であろうかと存じます。 コンセプトが獣医師と非獣医師の意見交換の場であるから・・・ひいては、獣医師同士のやりとりが続きすぎると非獣医師が書き込みづらくなるから、というのなら、ある程度は判ります。ただ、非獣医師にとっても、読むだけでも大いに学ぶところがある、という点についてはご注意を喚起したいところですが。 そうではなく、前記引用部分がご主意だとすると、まさしくシリアスにご真意をお尋ねしたいと存じます。 論文は電子化されつつあり、アブストラクトは誰でも読めるようになりつつあります。先取権もあるでしょうし、他方、公金で育った科学者が隠し事をするのはどうか、もあります。 枯れた技術であってもひっくり返ることはありますし、先端技術ならなおさら不安でしょう。そうであっても「専門家は全てをさらけ出します。社会が選んでください。そのかわり、不確実性のリスクは社会が負ってください」というのが、原爆以降の「科学者対社会」の流れであり(そういう流れの中でなお科学者は何をすべきかというのがアインシュタインの問題提起であり)、インフォームド・コンセントもそれを受けてのものでしょう。 誤解されるのは折り込み済みのはずです。誤解を恐れて内緒話に逃げてはいけないはずです。誤解されたら、それを解く努力をすべきとされているはずです。そのかわり、誤解に基づいて何かを患者が”選択”したことについては、専門家は”結果責任は負わない”で帳尻があうはずです。 誤解する”権限”およびその”結果責任”は患者側にある、のです。 「患者が誤解するから裏で話そう」というのは、きわめて重大なご発言と考えます。 ムクムクさんのみならずすべての獣医師のかたに改めてお考えいただきたいのですが、親の金で、にしろ、苦学して、にしろ、あるいは国公立であるか私学であるかを問わず、獣医師の育成には公金が投入されています。その負い目を獣医師のみなさんには持っていただかなくてはなりません。たとえば奨学金を完済しておられても、もとの授業料が公金によって安くなっているぶんについては社会の負担のままですし、返すすべもないわけです。むろん獣医師だけではなく、義務教育ではない教育を受けたすべての人と同様に、ですけれど。 「馬鹿な畜主、馬鹿なVT/AHTへの愚痴」を獣医師がクローズドで話すのは大いに結構です。そりゃぼやきたいこともあるでしょう。 しかし、テクニカルな意見交換は、その意見の差や、レベルの差をも含め、社会に対して隠してよいものとは思われません。それらも重要な”選択の材料”なのですから。 ご熟考のうえ、ご返答いただければ幸いです。
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