獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200609-153

reRE:専門家(獣医師)の意見交換ですが。
投稿日 2006年9月11日(月)11時18分 投稿者 はたの

>ムクムクさん。

 もとより、後段については承知しております。
 前段について、「aからbへ」という誘導のご主旨が、「aで話すな」より「bも使え」であること、理解いたしました。

>とくにどなた宛ということもなく

 多くの獣医師のかたが、獣医師ゆえの発言の重みをご自覚され、ゆえに、非獣医師に開示していい情報か、そうでない情報かを選択されているように思えます。
 (インフォームドコンセント自体を問題視せず)インフォームドコンセントを是とする場合には、それではつじつまがあわんのではないか、ということです。
 医療者が情報を取捨選択してふさしいものだけを患者に伝えるのではなく、全部丸投げにすべし、というのが肝ですから。
 獣医師を(拡大)医プロフェッションの一員とみれば対患者・畜主の場面になりますし、科学者としてみれば、あるいは養成コストの一部を公金に負っている専門家としてみれば対社会の場面になりますが。
 これは、たとえば「患者さんのため」との善意からの情報のコントロールでも同じです。なんのことはない、それでは「患者はだまって医者にまかせておけ」と同じことになってしまいます。
 言い換えれば、インフォームド・コンセントという概念は、患者・畜主側にとって良いことばかりではなく、厳しいものでもあるわけです。時には医療者に「お任せ」するよりも悪い素人判断をしてしまうこともあるし、そうした場合でも医療者のせいにできない、わけです。
 不適切な情報が流れる害、それに惑わされることは折り込み済みで、そうした害よりも、統制済みの情報のみしか提供されない害を重んじる、雑多な情報に基づいて自己決定できるという益を重んじるのがコンセプトですから、医療者・専門家の側で情報を自己規制する必要はないし、してはイケナイ、のだと。
 「女は弱い、守るべきものだから」という善意に基づいた庇護だとしてもやっぱりセクシズムになってしまうのと似ています。

 ですから、インフォームド・コンセントをどこまで徹底すべきかには議論があることでしょう。あまりにドライすぎるかもしれません。医療者の「庇護する者」としての権限と責任をある程度残すほうが良いのかもしれません。
 ではあっても、それが、「医療者が情報をコントロールする、そのコントロールされたじっょうほうに基づき、患者・畜主が選択し、その結果責任を負う」ですと、なんのことはない、患者・畜主がソンをするだけになってしまいます。これが怖いからこそ、医療者による情報コントロールには反対なのです。

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