意見交換掲示板過去発言No.0000-200701-91
Re:Re:Re:雌犬の乳腺腫瘍と避妊手術の関係について |
投稿日 2007年1月17日(水)11時49分 投稿者 プロキオン
>先生はご経験上、未避妊の場合、4頭に1頭は少し多いと言われましたがおよそどの位なのでしょうか。また、初回発情前に避妊手術を致しますと本当に悪性乳腺腫瘍の発症はゼロに近くなるのでしょうか。お忙しいところ申し訳ございません。ご教示下さい。 私自身も、私周辺の先生方も統計をとっていないので、数値的に示すことができるものはありません。 ただ、日々の臨床において猫の乳腺腫瘍は「珍しい」と感じることはありませんが、これが犬になると「あれ、乳腺腫瘍?」という感じです。 これが猫と犬とに動物の差かどうかは分かりません。猫は放し飼いもありますし、野良猫も多く、避妊されていないままの個体もその辺を闊歩しているわけで、当然エストロジェンの影響を受けている乳腺がそれだけ多いということになります。かたや犬においては、つながれていたり、檻にいれてあったりで、繁殖を直視せざるをえない場面もそれだけ多いということになると思います。 ただ、その点を考慮しても、猫の方が遭遇する機会が多いように個人的に思います。 まあ、少なくとも避妊していない犬の4頭に1頭が乳腺腫ということであれば、これはとんでもなく多い疾病ということになります。そこまでの頻度で遭遇することはありませんから、2つめのデーターのもととなった対象集団がどのような集団なのかなという興味はありますね。 また、もう1つの避妊手術と発生率との関係ですが、これは相関関係があると思います。 乳腺腫瘍が見られる個体は、やはりある程度の年齢であり、若いとは言いがたいところがあります。それだけ乳腺細胞がエストロジェンにさらされてきた時間の積み重ねがあるということを実感します。 1〜3歳くらいまでに避妊手術を受けている個体であれば、まず遭遇することはないように思います。若いうちの避妊手術は乳腺腫瘍の抑制に貢献していると思います。
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