意見交換掲示板過去発言No.0000-200702-129
Re:Re:Re:猫の乳がん |
投稿日 2007年2月16日(金)11時16分 投稿者 プロキオン
>プロキオン先生が申されているのは、私が主治医の先生から聞かされてきた…という説明は獣医学的にありえない話だといわれているのではないかと思いました。 ありえるかありえないかということであれば、多少なりともそのような可能性があれば否定できなくなると考えます。 私が述べたかったのは、はたして患者である当該猫の病態をどこまで伝えたものであるのかということです。そして残念ながら、それは実際に患者を診察してみないと分かりかねることなのです。 100の症例のうちの特異な1例であったということであれば、「ありえるありえない」の論争になってしまえば、1%の可能性を否定することには膨大な労力が必要となりますし、「100%ありえない」が結論となることもまた難しいでしょう。また、そもそもの問題もそこではないと思うのです。 患者の病態が正しく把握されていて、飼い主にキチンと説明されていたかなのだと思います。これも、そのとおりにしていたと言われればどうしようもありません。mie さんとその獣医師の先生の両方の言い分を聞いてもどちらに軍配をあげるというわけにはいきません。やはり、患者の病態を他に知る者がいないからです。 >人の命と違い獣医療では猫の命はこのような粗末な扱い(言葉が悪くすみません)が普通なのでしょうか。他の猫も皆同じなのでしょうか。それならばあきらめるしかないと考えています。 人間の命であれば、医者にまかせておけばよい、自分は動物の命にかかわりたいから獣医師をしているというのが、私の考えです。 命がかけがえのないものであって、一度失われてしまえば取り戻すことができない貴重なものという意味においては、猫であろうと人間であろうと等しく尊いものです。 けれども、その命の重さがすべての動物において等しい重さでないことも事実です。もし、仮に私の子供が交通事故にあって病院に搬送されたと連絡が入ったときに、私の病院にも交通事故の猫が運ばれてきても、「他の病院へ行ってください」と言って我が子の入院先へ駆けつけます。私はそれでよいと思っています。 結局、医療は「知識や技術」でもなく「機器や設備」でもなく、「義務でも責任」でもなく、「人間としての情」が根底になくてはならないと考えます。 mie さんが今回のことで、「獣医師にとっては猫の命は軽いものだ」と今後考えるようになるのであれば、それは違うと申し上げておきます。 一人と一人のめぐり合わせの問題を、他の獣医師にまで置き換えては欲しくありません。 そのことは日常の診療で証明していく所存でいます。
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