意見交換掲示板過去発言No.0000-200702-77
Re:Re:外用薬で解消。 |
投稿日 2007年2月10日(土)11時26分 投稿者 プロキオン
ステロイド剤、抗真菌薬、抗生物質等は、いずれも処方箋が必要な薬剤であって、医師や獣医師の指示がないと摘要できません。 ただ、これらの薬剤でも外用薬として形態を変えると「要指示」の扱いから外れることもあります。これは、外用薬で皮膚に塗布するものを敢えて服用することはないからという理由に他なりません。薬剤効果を期待するにはその分濃度が必要となりますが、「口から服用しないから」が前提となっています。 このことは「薬事法」も「日本薬局方」も人体薬をとりあつかっているからです。 一方、動物では、動物自身が炎症のある部分を気にして舐めるという行為が頻繁にあります。このために外用薬の服用という結果になってしまうことが多いのは、獣医師だけでなく飼い主さんも承知のことと考えられます。 つまり、動物病院であれば、やみくも外用薬を処方するのではなく、患者である動物と飼い主さんの両方を見て処方する必要がありますし、病変部の推移も注意をはらっていないとなりません。 薬だけ売れればよいというわけには行かないのです。 また、アレルギー疾患においては、その原因物質の確定が困難であって、素人判断でなんでもかんでも外用薬で解決するというわけにはいかないでしょう。そうやって、単体の薬剤だけで症状がコントロールできなくなってしまった患者が来院してきたときほど、困窮することはありません。 ステロイド剤は、私は内服薬で処方することが多いです。こちらですと、何日分というような処方をしますので、漫然とした投薬にならなくてすみます。いたずらにステロイド剤を恐れる理由はありません。むしろ、他の先生方もおっしゃられているように外用剤を漫然と塗布し続けることの方が恐いです。 今回、商品名をあげて推奨されている薬剤ですが、決して悪い薬ではなく、効果も期待してよい薬剤なのですが、この薬だけで全ての症例が解決できるとまでは考えることはできません。 もし、そんな夢の薬であれば、私達ももうこれ以上勉強する必要はなくなります。
|
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |