獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200704-235

Re:Re:Re:腹水を抜いたら・・・3 病理検査の結果
投稿日 2007年4月27日(金)00時40分 投稿者 りんママ

りえっちさんへ

ご愛犬の突然の発症でお気持ちが混乱されていることお察し致します。
人も犬もガン治療となれば、とても費用がかかりますね。
5年ほど前に、近所のわんちゃん2頭が13才で同じ時期に扁平上皮ガンの診断をうけ一頭はガン専門の県外の病院に1ヶ月入院させましたが3ヶ月に再発しその2ヶ月後に亡くなりました。
もう一頭はそのまま対処療法だけで抗ガン治療も行わずお婆ちゃんと同居の犬と一緒に暮らして4ヶ月後に亡くなりました。
抗ガン治療を行った犬は、6ヶ月命が延びましたがその内1ヶ月は長期入院で飼い主さんと離れていました。一ヶ月の入院の間飼い主さんは1回面会に行きました。
私だったらどうするか?犬が若くて予後に希望がもてるなら長期入院や抗ガン治療をするかもしれません。でも、年齢が高いのであれば、犬にとって一番安心出来る状態を考えてお婆ちゃんと同じ選択をすると思います。

気にされている検査をすれば、(すべて)判るか?
腫瘍マーカー検査やMRIやCT検査などもありますが、ある程度の予測はつくかもしれませんが判らないことも多いです。

実際に亡くなった後に解剖をして初めて、こんなところにもあったのか?ということもあります。
私の父は、4月末に胃原発の悪性リンパ腫との診断を受け比較的抗ガン剤に反応する血液のガンですので手術ではなく抗ガン治療を選択しました。
最初は低悪性度の進行が比較的に緩やかなタイプで3ヶ月の抗ガン治療で9月に一旦は寛解(治ったかに見える状態)になりましたが3ヶ月後の12月に再発、この時には高悪性度タイプでしたがあいにく年末とベットが開いていないので入院が年明け中旬になり、事前検査も色々行い胃と周囲リンパ節の摘出手術を行いました。
摘出した臓器も見ましたが、胃が膵臓尾部に強癒着があったので1/3程切りました。
この時も目視ではとても綺麗でしたし念のために病理検査に出されたところ、早期のガンが発見されました。治療はこのため膵臓ガンと悪性リンパ腫という2つのガンが判りました。
言い直せば、最初に胃を摘出の選択をしていれば膵臓ガンは発見出来なかったということになります。
術後熱が1月ほど下がらず主治医は手を尽くして原因を探して下さっていました。
その年の年末に亡くなりましたので、病因を探るために献体をお願いしました。
その結果、前立腺ガンが発見されました。
これは転移ではなく原発であろうということでした。
直接の死因は、悪性リンパ腫は高悪性度でしたが寛解でしたが、膵臓ガンの進行による多臓器不全(DIC状態)による死亡です。

先代犬(乳腺腫瘍で2回手術歴あり)を安楽死させた時に、何があの子を苦しめる原因だったのか?他の選択肢がなかったか?剖検をしていればと悔やまれました。
父を献体にお願いしたのは、悪性リンパ腫(高悪性度)や膵臓ガンの治療法がまだ確率されていないこと。
本当の死因が何か診断が正しかったのか。
治療に関して本当に選択が間違っていなかったかが知りたかったからです。
少なくても父の治療に関して診断されていた2つのガンの治療は効果があったことがわかり、同じ病気の方へのひとつの提案が出来るということを主治医から伺いました。

少しでも長く生きて側にいて欲しい。私も、同じように願います。
ただ、犬を飼うということは、看取ることを常に頭の片隅に入れています。
ご愛犬が何を望んでいるのか考えてあげて欲しいと思います。
痛みがあればそれを取り除いてあげる。寂しい思いをする時間を少しでも少なくしてあげる。
痛い思いをさせながら何ヶ月も私の為に生かすより、痛みが出ないようにコントロールをして犬が寂しがることがないようにお世話をされるという選択もあると思います。
お金をかけた高度な治療をするだけが愛情ではないと思います。
体を撫でて声を掛けてあげるだけでも、ご愛犬の気持ちは随分と穏やかになるのではないか?と思います。反対に、りえっちさんが悲しまれることは、ご愛犬を心配させることにもなります。

お気持ち的に平静であれとは申せませんが、悲観的になられたり今の環境が変わることの方が不安を感じるのではないかと思います。

お金では買えないこと、これまで大切に過ごした時間と信頼関係があるのですから。
犬に選んで貰ったという資格は十分にあるのではないですか?
りえっちさんが今出来る最前の方法が例えさすって声をかけてあげることだけであっても、ご愛犬はそれを恨んだりしませんよ。
お子さんもいらっしゃって大変だと思いますが、他のワンちゃんのお世話をご家族の協力と手を借りられて少しでも不安が軽減されるとよいですね。

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