意見交換掲示板過去発言No.0000-200704-57
Re:手術の時期について |
投稿日 2007年4月11日(水)16時41分 投稿者 プロキオン
肛門周囲腺腫については、できるだけ早期で大きくならないうちがよいと思います。 と言いますのは、肛門周囲の皮膚と粘膜が移行する場所ですので、腫瘍が大きくなっていると切除する部分も大きくなってしまい、欠損した部位を閉鎖する際に、皮膚や粘膜が引っ張られたようになり、排便のつど痛みや違和感が生じる可能性があるからです。 痛みや違和感が少ない方がそれだけ犬も気にしませんし、傷口を舐めて壊すということがおきにくくなると考えられます。 去勢はぜひ同時に実施なさってください。何箇所もあって一度では取りきれないような例でも残っていた腺腫が小さくなって、手術しなくてもよいのではないかというくらいに効果があります。 ワクチン接種については、接種する先生の考えがありますので、一概にこうするべきとは申せませんが、ガイドラインでは、 「狂犬病ワクチンを先に接種した場合は、1週間経過すれば、混合ワクチンを接種してもよい。 混合ワクチンを先に接種した場合は、狂犬病ワクチンは3週間後とする。」 というように推奨されています。 混合ワクチンの2回にわたる接種は、必要かというと、これは地域事情を勘案してください。猫のワクチンでは、ワクチン歴のない猫の場合は成猫でも2回接種が推奨されています。これは猫のワクチンが感染を防ぐタイプのワクチンではなく疾病を軽くしてくれるタイプのワクチンであるからです。つまり、それだけ高い抗体価を得るようにする必要性があるということになります。 犬の混合ワクチンは、感染を防ぐタイプのワクチンであって、母犬からの移行抗体がワクチンに干渉する時期を過ぎていれば、だいたいの犬では1回でも充分な抗体価が得られるのではないかと思います。 ただし、年齢が12歳ということですから、こちらが期待した程に抗体価が上昇してくれなかったということもないことでもないというところです。そこで、近隣における疾病の流行状況を勘案して、もう1回接種するかどうか判断する必要があるということになります。
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