旅人に強い北風を吹き付けてもコートを脱がなかったが、太陽は
暖かい日差しを照らすだけでコートを脱がしたというおとぎ話ですが、
獣医師広報板では積極的に行政の動物愛護行政・保護行政を紹介し、
何ならお手伝いしましょうかという姿勢で臨んできました。
http://www.vets.ne.jp/link/pc/6110.html
動物愛護は行政だけでは出来ませんし、民間だけでも出来ません。
双方が協力し合って初めて出来ると私は考えています。
日本ではイヌネコ30万頭前後が毎年殺処分されています。
そのことは双方承知の上で何か協力し合えないかと考えています。
大阪で残念な事件が起こりました。
ある愛護団体が行政に委譲したとする犬たちが、処分されるとなったとたんに
委譲していない、他の団体に委譲したといいだし、その団体が行政を裁判所に
訴えるに至りました。
行政官には電話攻撃、ファックス攻撃、面と向かった罵倒が行われ、個人携帯の
番号を調べ上げられ電話攻撃を受けた方もいらっしゃいます。
その結果、異動を申し出られた職員も少なくなかったと聞いています。
同じような攻撃は行政に協力的な民間の獣医さんにも行われ、そのため協力出来なく
なった獣医さんもいらっしゃいますし、実は私自身も何かしてやると脅迫を受け
ました。
今後、大阪府は動物愛護団体と距離を置くでしょうし、その経験は全国の行政に
波及するでしょう。
何かいいことありましたか。
脅迫や嫌がらせで動く人間がいると考えるのなら、小学生のいじめ行動以下の
発想です。
大義名分があれば何をしてもいいのでしょうか。
オウム真理教地下鉄サリン事件でも「人類救済のため」というスローガンの上で行われました。
人類を犬に置き換えたら彼らがやったことは、カルトと同じです。
人間としてしていいこと、悪いこと、そのようなことが分からない人間たちによって
全国で地道に動物愛護活動を続けている人達が大迷惑を受けました。
最初にも言いましたが、日本では毎年30万頭のイヌネコが管理処分されています。
このことを前提にしない動物愛護活動は、現実逃避の宗教活動と言っていい。
また何頭かの動物を救い出すことを売り物にする人間は、救い出さない動物とどう
差別を行ったかその都度説明して欲しい。
そんなことを理由に募金を集めるのは、偽善ではなく詐欺だと考えます。

ムクムク 獣医師広報板 www.vets.ne.jp 意見交換掲示板 2007/05/05 (転載自由・改変不可)