獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200710-144

Re:高齢犬介護について
投稿日 2007年10月20日(土)23時48分 投稿者 パールちゃん

うちは今まさに高齢犬介護の真っ最中です。15〜16歳くらい・♂・体重15キロ・紀州犬MIXです。ももじさんの犬と似た感じかもしれませんね。違うのは、うちは室内飼いだということと、2週間ほど前からもう自力では立てなくなったということくらいかしら。

ももじさんの犬に今後まず考えられるのは、徘徊がひどくなること、後ろ足の衰えにより立てなくなること、排泄がままならなくなること、この3つです。
徘徊がひどくなると昼夜を問わず動き回りますから、危ないところに頭を突っ込んで抜けなくなったり、そこでもがいて怪我をしたり、そういうことに注意する必要があります。ぶつかったりからまったりしたら危険なものをなくすと同時に、お風呂マットとして売っているようなソフトな素材のもので飼育場所を安全にガードしてあげるといいと思います。
後ろ足の衰えを少しでも防ぐには、散歩に行けるうちはがんばって散歩に行き、足を使わせることを続けるといいです。うちの場合、一日散歩を休むとそれだけで足の衰えがグンと進んでしまいました。少しでも歩くことがとても大切だと実感しました。
もし歩けなくなっても、手で支えてやりながら立たせてやる、それを日課にすると寝たきりになるのを遅らせることができます。寝たままでいさせるとみるみる四肢の筋肉は落ち、すぐに寝たきりになってしまいます。
自力で立てるうちは自分でどうにか排泄をします。が、立てなくなるととたんに排泄をどうしようという問題にぶちあたります。寝たままではなかなかおしっこはしてくれませんし。
最低でも8時間毎くらいに排泄介助が必要になります。(これ以上の間隔をあけると膀胱や腎臓によくない) 水分をたくさん摂らせておしっこを気持ちよく出す、これが高齢犬介護のいちばんの課題かもしれません。徘徊や夜鳴き、もぞもぞしていつまでも眠らないなどは「おしっこしたいよ」のサインであることが多いので、上手におしっこをさせるのがおだやかな暮らしの基本になると思います。
食餌に関しては、どんなものでも少しずつでもいいので食欲を落とさないことが基本になります。舌の動きがにぶくなるので小粒のドライフードは食べにくくなります。もし寝たきりになったら、ノドに詰まらせないように下を向かせて一粒ずつ、やや大粒の半生フードを与えるのがいいと思います。気分を変えて食欲を出させるために缶詰や茹で肉、パン、カステラ、卵焼きなど、好むものならなんでも。うちは「困ったときはシュークリーム」です。なにをあげてもいやがるとき、シュークリームをほんの少しあげると喜んでパクつきます。それが呼び水になって缶詰やドライフードなど再び食べてくれます。
食べる量が減るのと運動不足により今のところうちの犬はウンチは3日に1回くらいです。ウンチは介助しなくても眠っているときに自然に出してくれます。便秘でカチカチウンチにしないためにも飲み水は少量ずつ何度もあげています。

以上、経験の一端を記しました。
うちは室内飼いなのと私が家で仕事をしているため常に目の届くところに置いていますが、ももじさんの場合は外のままでいいのか、仕事に行っている間はどうするかという心配がありますね。寒さに向かう時期ですしね。
暖かく、風にさらされず、夜露に濡れず、のほうが犬の体にはいいですが、ずっと外にいた身にとっては外のほうが気分がいいという場合もあります。外のままにしておくか、玄関先あるいは室内に入れるかは、犬の好む場所、家族が了解する場所、ももじさんが世話をしやすく、なおかつももじさんが安心できるかどうか、それによってどうするかを考えるといいと思います。

うちも今までの犬みんな病死でしたので、高齢ゆえの介護というのは初めてです。寝たきりになってからの何日間かは好きな姿勢のまま寝かせていたので床ズレを作ってしまいました。寝返りをさせたりマッサージをして血行をよくしたりして幸いにも床ズレはひどくさせずに済みました。早め早めにわかってあげなくちゃいけないなと反省。。。

と、ここまで書いたところで「クォンクォン」と鳴くので「おしっこしたいよ」のサインが出ました。立たせても足に力が入らずぐにゃぐにゃなので、頭を前からまたいで肩のところを私の足ではさみます。左手で後足を支えてどうにか立つ姿勢にさせます。右手をおなかに当てて膀胱のあたりをゆっくり押すとフワッとしっぽが上がると同時にチャーッとおしっこが出ます。即座にタオルをおちんちんの先に当てておしっこを吸い取らせます。
最初はうまくできなくておしっこを撒き散らしてしまいましたが今では1滴も床にこぼさずにおしっこを済ませられます。
おしっこをしたとたん気持ちよさそうに目をつむって眠りに入ります。仔犬のようです。じーさんなのにね(笑)

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