意見交換掲示板過去発言No.0000-200710-74
Re:Re:Re:安楽死についての質問です。 |
投稿日 2007年10月11日(木)12時28分 投稿者 プロキオン
今年、ある出版社に犬の病気の説明の箇所を転載してもよいかと尋ねたことがありましたが、みごとに断られました。「出版社は、本を購入して読んで貰うことを目的としておりますので…」というのが、理由でした。 あまり、「おたんこナース」の内容を説明してしまうと、同じことが言えると考えて敢えて内容には触れませんでしたが、購入して読んでくださいとまで言うのもなんですので、 ちょこっと。 身寄りのない老婦人が末期癌で入院してきたが、これがどうにも世間や他人を恨み、口にすることがひどい、病院のナース達がまいってしまうというお話の設定です。 癌の痛みや苦痛にのた打ち回りながら、それでも他人を恨むことで「生」へしがみついているわけです。誰かを恨まなければならない、死んでも死に切れない深い想いがあるわけです。幸せな人間・不幸を知らない人間に対する恨みの念が溜まって自分の体が腐っていく、この恨みを吐き出さないうちに死ねるものかというところですね。 他人に恨みの言葉を吐きたいから、鎮痛剤も拒否するという老婦人が、自分のこれまでの人生を受け入れる気持ちになぜなれたのかということなのです。この挿話は安楽死の話ではありません。ですが、ひじょうに感じるところがあります。 動物も人間も、最後まで生きたいのです。とくに動物は自ら死を選択しようとはしません。最後まで、生きるつもりでいるようです。痛くても苦しくても、生きるつもりでいます。1日24時間のあとには、明日が繋がっていることを信じています。 そんな動物でも、死を受け入れる瞬間があります。それは力を尽くしたあとに何かの吹っ切れたような感じですね。自分の人生と運命に納得した瞬間だと思います。 人間であれば、恨みつらみが残っていれば、納得することはできないでしょうし、動物であれば、まだ余力があるうちであれば納得できないでしょう。「生」と「死」の狭間にたたされたものが、「死」を受け入れる気持ちになるのは、とても大変なことです。 主人公のおたんこナースが、その患者さんにどのような看護をしたのか、どのようなふれあいがあったのかは述べることはできません。一番大切な箇所ですからね。 でも、患者につきあう者として、とても大切な覚悟のようなものだと言えると思います。心弱い者や逃げや誤魔化しでは駄目だと思うんです。患者と対峙するも、全てを受け入れるであっても、それは弱い心でかないません。しっかりとした強い心がないとならないと思います。
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