夜にまとめて眠ってもらうには、満腹させることと昼間疲れさせることの2つの方法があります。
満腹方式は肥満との兼ね合いがあるため、無脂肪または低脂肪でカロリーが低く、胃に負担をかけないものを考える必要があります。牛乳でおなかをこわさない犬なら、無脂肪乳で寒天またはゼラチンを使って牛乳ゼリーのようなものを作り置きしておき、溶けない程度に人肌に温めたものをぐちゃぐちゃにつぶして与えるといいと思います。お肉を茹でたスープを冷まして上に浮いて固まった脂を取り除き、スープだけをゼリーにしてもいいと思います。あるいはお砂糖をまったく使わずに蒸しケーキを手作りして、それを夜食代わりに与えてもいいでしょう。手間はかかりますが、夜食をもらうことでおなかが満たされてリラックスして自然に眠気を誘います。
昼間疲れさせる方式は、今までよりも散歩時間を増やして、ゆっくり歩きを長めにします。ゆっくり歩きなら心臓に負荷がかかりすぎることはありません。
高齢になってくると若いときの感覚がにぶるため、ちょっとしたことで不安になったりイライラしたり、気分の波が目立つことがあります。神経が過敏になって［眠らない・吠えてしまう］が起こりやすいので、規則正しい生活リズムを守って「いつもどおりの毎日」が続けば犬の不安は減ります。お薬やサプリメントよりも、毎日毎日が同じ繰り返しのほうが、高齢犬には安心と安眠をもたらすと思います。
外で飼っているなら室内生活に移行させることも考えてみてください。家族のそばにいればそれがなによりの安心につながりますから。