獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200806-40

Re:フィラリア症は死を待つしかないの?!
投稿日 2008年6月8日(日)12時19分 投稿者 プロキオン

この掲示板の過去ログに目を通されているのであれば、お分かりかと存じますが、心臓に寄生するフィラリアの数を増やさない事をきわめて大切なことです。
毎年、この季節になるとフィラリア感染犬への投薬をどのように実施するかという情報交換が、あちこちの獣医師があつまるサイトで交わされます。
診療に携わる者であれば、この問題については、みなそれぞれの見解と処方をもっております。成虫感染犬への投与ですから、当然100%の安全保証とはいきませんが、事故を回避するべく、より安全な方法を検討しているということにはなると思います。


現在診療している先生においては、服用事故が生じた際の責任問題を避けたいというようなことなのではないでしょうか?
犬がフィラリアに感染してしまっているというのは、獣医師から見れば予防していなかった飼い主さんの責任です。そういう飼い主であれば、事故が起きた際にも何を言い出すかわからないという危惧を感じてしまうのではないでしょうか?
ほるさんの投稿でも、「拾ってきた」という記述と「4歳」という記述があります。子犬の時に拾ってきたのであれば、4歳になるまでに感染させてしまったのはほるさんということになります。最近拾ってきた犬の年齢をあれこれ推定したところ4歳くらいであろうと言う場合であれば、ほるさんの責任とは言えないかも知れません。
私が、投稿にさっと目を通した際に この「拾ってきた」と「4歳」が気になりましたので、もしかしたら、直接のやり取りの中でも同じようなことを感じたのかもしれませんね。

虫体摘出手術、殺フィラリア薬の注射投薬、予防薬の服用、いずれにせよどの方法にもある程度の危険性は常につきまといます。それを承知のうえでの治療希望というのであれば、方法はありますし、実際に4歳という年齢であれば事故が起きる可能性はかなり低いと私は思いますよ。
死を待つしかないなどということはありませんし、そのまま放置していて、より悪化させてしまうことにも賛成できかねます。選択肢はあるのですから、より明日に繋がる選択をされるほうが良いと思います。



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