獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200812-23

Re:犬の眼の病気について
投稿日 2008年12月11日(木)10時59分 投稿者 プロキオン

先日の子犬の離乳について質問されていたひなたさんと同じ方ということでよろしいのですよね。
結論から先に述べますと、違う病院へ行っての診察をお勧めします。

犬の眼が白く見えるという場合は、大きく言って、水晶体が白濁するケースと角膜が白濁しているケースとがあります。前者のケースが白内障と呼ばれるものなのですが、子犬の月齢とひなたさんの見た感じとからでは違うようだということになります。
後者の角膜が白く濁るというケースも、角膜に傷がついてという場合と角膜そのものの変性や機能に由来している場合があります。後者のケースの中でも角膜に傷がないと受診先の動物病院で言われているとのことですので、文章からですと、角膜の変性や機能が落ちているということになります。
しかし、実際に眼球のどの部位が白くなっているのか、そして角膜に傷があるのかないのか、それをどのように確認したのかという話が必要になりますので、掲示板で話しを絞り込んでしまうことよりは、最初の原点に戻ってきちんと眼の診察にあかるい先生に診ていただいた方がよろしかろうということになります。

一般的に子犬の開眼は、9〜16日齢ぐらいであり、この時の眼は瞳孔反射も未熟であり、角膜も水分を多く含んでいるために青みがかかって白くみえます。これは角膜内皮細胞の水分調節機能が充分に働いていないためとされています。この水分調節機能というのは、眼が開いてから、2〜4週間くらいで本来の機能をはたすようになります。上の方で述べました角膜の機能というのは、この水分調節機能のことです。

まず、角膜の透明性について確認し、角膜と水晶体との間の前眼房内に炎症やフレアーがないか、そして角膜表面を眼科用の染色液で染めてみて傷の有無を確認します。(水晶体が白濁しているのであれば、スリットランプでさらに検査します。)
これらの検査でやはり角膜そのものがおかしいようだということになれば、角膜内皮細胞の機能低下を疑うことになります。
正常に機能するようになった角膜内皮と言えども、子犬ではまだよわく、伝染性肝炎ウイルスとかサルファ剤とか、様々な要因で機能が阻害されてしまうことはあります。
子犬が初めて動物病院を訪れるのがちょうど2ヶ月で最初のワクチン接種をするころとなります。それまでの期間において獣医師も子犬の眼をしげしげと見るという機会もありませんので、この時期になってから気づかれる子犬の眼の異常というのも意外と多いと聞いております。

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