獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200902-17

Re:犬アレルギーの子供に対する愛犬は
投稿日 2009年2月6日(金)12時14分 投稿者 けりーずはうす

動物に対するアレルギーは、たいていがその毛やフケに対するもののようです。
柴犬は、実は毎日の抜け毛が多い種類です。
柴犬を室内で飼育していらっしゃるお知り合いでもいらっしゃったら、お子さんを連れて遊びにいかれてはいかがでしょうか。
そこで抜け毛のケアー、毎日の手入れなどをお聞きになり、お子さんの体に異変が出ないのか観察なさってみるのがいいと思います。
これは1度や2度ではなく、何度も行かれたほうがいいでしょう。
アレルゲンが体にある程度たまってからアレルギー症状が出るものですから、短時間、数回のふれあいで結果を出さない方がいいでしょう。
また、柴犬もアレルギー疾患をもっている犬が多く、その場合通常よりも多くフケがでますので、そこも考慮に入れられた方がいいでしょう。

老婆心ながら娘さんの主治医の先生は犬を室内で飼育することに賛成なさっていらっしゃるのでしょうか。
その上でのご相談ということでよいのですよね。
もしも、相談なさっていないとか、賛成でないということであれば犬種を決める前にきちんと納得がいくまで相談なさる方がいいように思います。

さて、アメリカの大統領が犬を飼われるということが話題になったことがありました。
その時に、娘さんがアレルギーであるため、犬種選びに苦心なさっているようでした。
最終的にどの犬種になったのかわかりませんが、概してアレルギーの方が飼育するのによいとされている種類は
プードル、メキシカン・へアレスドッグ、チャイニーズ・クレステッドドッグなどとされています。
プードルは、毛がクルクルとまるまるので、毛が抜け落ちずにブラッシングの時に古い毛がひっかっかってきます。
後の2犬種は、もともとほとんど毛が生えていません。
毛を吸引することが少ないため、アレルギーの方には良いとされているのです。

最後に厳しい意見をひとつ。
もしも、主治医の先生から賛成が得られないのであれば、今犬を飼うべきなのかを考えていただきたいです。
犬を飼うことでお子さんのアレルギーに悪化が見られたらその犬はどうしますか?
手放してしまうのでしょうか。それとも外で飼育されるのでしょうか。
特に柴犬のような日本犬は、「一生涯の飼い主は1人」であることが理想です。
その犬は、新しい飼い主さんの元で一見幸せそうに見えても飼い主さんを心待ちにしているものです。
これでは、何のために犬を飼うのかよくわからなくなります。
お子さんもアレルギー悪化でつらい思いをするし、犬は途中からかわる飼育環境(外飼育に変更にしても)に慣れなければなりません。
犬を飼うということは良いことばかりではありません。
飼う前に、想像できる悪い結果を想定して心構えしておけば、慌てることもないと思うのです。
お子さんの体力がしっかりするまで待たれても遅くはないと思います。

これらの全てを考慮に入れてのご相談でしたら気を悪くなさらないでください。
ネットでは、その事情がわかりませんので、つい余計なことを申してしまいました。
でも、最近の「新しい飼い主募集」の傾向は「子供にアレルギーがでました」という理由が多いので、つい心配になってしまったのです。
犬を飼うということが辛い事になってはいけませんから。
楽しく、笑顔が増える生活であって欲しいからです。

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