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毎日jpニュース記事 セラピー犬が避難所慰問
投稿日 2008年6月28日(土)03時58分 投稿者 パール@ペット防災ネットワーク

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20080628k0000m040144000c.html
岩手・宮城地震:被災者に勇気を セラピー犬が避難所慰問

 前脚だけで懸命に進む。交通事故で後ろ脚2本を失った雑種のセラピードッグ「二郎」が27日、岩手・宮城内陸地震の被災者がいる宮城県栗原市の避難所を慰問した。「地震で失ったものは多いが、二郎のように前に進まないと……」。2本足の二郎が被災者に勇気を与えた。【柳澤一男】
 二郎(推定10歳)が現在の飼い主の獣医師、菅原康雄さん(60)=仙台市宮城野区=の元に運び込まれたのは5年前。車にはねられ、パトカーで連れてこられた。
 一命は取り留めたが、動かなくなった後ろ脚は両方切断せざるをえなかった。しばらくすると、2本の前脚で立とうとするようになり、1年後、前脚だけで歩くまで回復した。
 人が動物とふれあうことで落ち込んだ気持ちを癒やしたり、自信をもつなど精神的な健康を取り戻す、アニマルセラピー(動物介在療法)活動もしていた菅原さんは、ハンディのある人に二郎を見て元気になってもらいたいと、セラピードッグとして訓練した。「優しい二郎は子供に人気。二郎も、子供たちと一緒にいるのが好き」と菅原さん。「二郎と会って、僕も頑張ろうと思いました」−−。小学生からこんな感想文が寄せられたこともある。
 菅原さんは、地震で日常生活を奪われた人たちにとっては、二郎の存在そのものがエールになると考えた。昨年の新潟県中越沖地震では、他のセラピードッグを連れて避難所を訪問したが、二郎は車が嫌いで長距離は可哀そうなため連れていかなかった。二郎にとって被災者に接するのは27日が初めてだった。
 避難所前。二郎は2本足で後ろ脚部分を引きずるように駆け回った。子供に抱きつかれると、まるで笑っているかのような表情を見せる。いつもの二郎と同じだった。
 避難所に来て1週間以上になる耕英(こうえい)地区の主婦、熊谷早百合さん(34)は二郎の頭をなでながらつぶやいた。
 「気力も失いかけていたけど、頑張らないといけないね」。その気持ちに応えるかのように二郎は目を細めていた。

避難所で子供にかわいがられる犬の二郎=宮城県栗原市のみちのく伝創館で2008年6月27日午後1時45分、小出洋平撮影

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