災害と動物掲示板過去発言No.0700-201102-26
河北新報ニュース記事 牛と暮らす日、再び |
投稿日 2008年7月1日(火)00時50分 投稿者 パール@ペット防災ネットワーク
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1029/20080630_02.htm 歩む前へ/畜産業・三浦鉄男さん/牛と暮らす日、再び来る ※画像 避難所から一時帰宅した三浦さん。再びこの地で暮らせることを夢見る=18日 <4頭が“避難”> 鼻輪を引かれ、トラックに載せられてゆく。「モー」。地震のつめ跡深い山里に牛の鳴き声がこだました。 栗原市花山中村の畜産業三浦鉄男さん(81)は18日、避難所から一時帰宅し、飼育牛を大崎市の宮城県岩出山牧場に運ぶ作業に立ち会った。親牛と子牛が2頭ずつ。被災後も一時帰宅のたびに餌をやって面倒を見た。 「お願いします」。引き取りに来た牧場関係者に頭を下げ、見送った。 激震は、居間で朝ご飯を終えた時に来た。額縁や食器がガシャ、ガシャ落ちた。妻(80)と同居の三男(50)の無事を確かめて外を見ると、目の前の山は土煙に隠れていた。 土煙が収まると、山は見たことのない姿に変容していた。杉林が消え、茶色い岩がむき出しに。数百メートル先で大規模な土砂崩れが起き、作業員3人の命をのんだ。 地区を抜ける国道398号は寸断され、孤立した。家の脇を流れる迫川の上流には「土砂ダム」が6カ所できた。決壊すれば、家も牛舎も畑もひとたまりもない。翌日に避難した。 <笑顔絶やさず> 生まれ育ったこの地で、平穏な暮らしを取り戻せるのか。そのためにどれだけの月日と金を費やすのか。年金と数頭の牛が頼りの老世帯に現実は厳しいが、三浦さんに悲嘆の色はまったくない。 「くよくよする必要はない。命があれば、人間、何とかなる」 7歳で母と死別した。農業と森林管理署の下請け仕事では家計を賄えず、出稼ぎを繰り返した。数年前には長男と次男が50代で相次ぎ急逝。三男は昨年大手術を受け、妻は乳がんを患う。 達観の陰には、そんな辛苦の年輪がある。 「その時々のつらさを思えば、地震なんて。避難所にいたって風呂に入れるし、ご飯もいただける。つらいと思うからつらくなるのであって、考え方次第です」 避難所で気落ちした人を見ると、そんな心の持ち用を、やんわり説く。 「天気がいいから散歩に行ってらっしゃい」「周囲に迷惑を掛けない程度に一杯やろうか」。ふさいだ心を笑顔とユーモアで優しく包む。 <被災者鼓舞も> 牛と別れて8日後の26日、「わが子」が牧場で変わらず元気なことを風の便りに聞いた。 「必ず迎えに行く。あの家でまた一緒に暮らす」。三浦さんは前を向いて言葉を継ぐ。 「地震で亡くなった人の無念を思えば、うなだれてなんかいられない。一日一日を懸命に生きていれば、いつかこの地震のことも懐かしく思える日が来る」 自分だけでなく、同じ被災者仲間を鼓舞するように言った。(地震取材班・大泉大介) 2008年06月30日月曜日
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