獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200207-67

犬の体臭
投稿日 2002年7月18日(木)06時19分 パールちゃん

たちうおさんへ。

犬の体臭の強弱は、体質的な違いっていうよりも用途の違いじゃないかな?と思います。

貴婦人に抱っこされる犬として生み出されたマルチーズやヨーキーなどの小型愛玩犬は、
プンプン匂いがきついのは困るので匂いのあまりしないもの同士の交配が繰り返された。
逆に、猟犬は体臭が強くても人間には迷惑ではないし、
体臭が強いほうが群れとして働くときに仲間の存在を確認をしたり、
散り散りになってしまっても臭跡をたどって再び合流できたりする利点がある。
単独で働く猟犬も、臭いの痕跡が強いほうが確実に主人の元に戻れる。
牧羊犬は体臭を発散させることで狼などの外敵を牽制するとともに、
羊たちに自分の存在を意識させて仕事をやりやすくする。
犬の用途別の「体臭がないほうがいい・あったほうがいい」という人間側の意図によって、
体臭の強い弱いは淘汰または継承されてきたのでは?と思います。
つまり、体臭がきつくてもかまわなかった犬種の血を強く引く犬が、
現在において「匂う子」になっているように思います。

とはいえ、犬が実務目的ではなくペットになってからは、
犬個々の性格も体臭に影響しているかもしれません。
気が強い犬や、あるいは逆に気が弱い犬は、
自分の存在を鼓舞するためなのか体臭がきついように思います。
我が家では、中間グループののんびり屋さんたちはほとんど匂いを出していないのに、
いちばん威張りっ子といちばん弱虫はほかの子に比べて体臭があり、
口元と足裏の臭腺から「これがわたしの匂いよ!」をけっこう強く出しています。
でも、慣れちゃうとこれが愛しい匂いなのよねー。
雨に濡れたあと乾いていくときの犬の匂いが好きっ (^m^)"

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